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1999 年度 実績報告書

地球環境汚染のタイムカプセルによる汚染監視に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11691141
研究種目

基盤研究(B)

応募区分一般
研究機関国立環境研究所

研究代表者

佐竹 研一  国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 総合研究官 (50101051)

研究分担者 角田 欣一  群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
古田 直紀  中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
キーワード入皮 / 環境汚染 / ICP-MS
研究概要

我が国(国立環境研究所ならびに中央大学理工学部)と英国シェフィールド大学環境分析化学研究室ならびにノルウェーエネルギー研究所Pollution Technology研究室を中心とする国際共同研究を開始した。シェフィールド大学との研究では郊外のナショナルトラストの管理するブナ林の病害のため伐採された樹齢約150年のブナに含まれる連続入皮に注目し、過去90年にわたる環境汚染の歴史をレーザーアブレーションICP-MS法を用いて解明した。その結果、重金属等による汚染が過去90年間引続いており、特に第二次世界大戦中の汚染が最もはなはだしいことが明らかとなった.このような樹木入皮を用いた環境汚染のモニタリングは英国では高い評価を受け、1999年には英国Royal Societyが全サイエンスの分野から選ぶ約20の研究のひとつ(New frontiers in science)に選ばれ、"A century of air pollution-recorded in tree barkpockets"というタイトルのもとRoyal Societyで発表を行なった。その内容についてはTimes、BBC、New Scientist等の取材を受けNew Scientist誌には"The Smog of War"として紹介された。この他英国との共同研究では、英国西南部のシリ-諸島においてバックグラウンド測定用の樹皮のサンプリングを行なった。
ノルウェーエネルギー研究所との共同研究ではノルウェー中部スウェーデンとの国境に近くのロロス鉱山(この鉱山は19世紀以降ノルウェーの軍需産業の発展と共に採掘、精錬が拡大し、このため周囲の山林が大被害を受けたことで知られる)に出かけ、ロロス市及び製材所の協力を得て樹齢約100年の松より入皮のサンプリングを行った。この試料については、ノルウェーエネルギー研究所において凍結保存し、次年度佐竹が同国を訪れ、高精度質量分析装置及び中性子放射化分析用の試料として調整し分析を行なう予定となっている。またノルウェーでは森林研究所において樹木入皮についての講演を行ったところ、全くオリジナルなアイディアに基づく興味深い研究として注目を集め、試料の収集、前処理等について協力が得られることとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 佐竹研一: "A century of air pollution-recorded in tree bark pockets"New Frontiers in Science. Exhibit 2. 9-9 (1999)

  • [文献書誌] Alan Cox 関連記事: "The smog of war-Urban tree trunks tell a tale of wartime air pollution"New Scientist. 2193. 12-12 (1999)

  • [文献書誌] Satake Kenichi,Idegawa Reiko,Ohata Masaki,Furuta Naoki: "Historical Environmental Monitoring Using Bark Pockets as Pollution Time Capsules"Proceedings 5^<th> International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements ; Vienna '99. 1074-1075 (1999)

  • [文献書誌] 佐竹研一 編: "酸性雨研究と環境試料分析 -環境試料の採取・前処理・分析の実際-"株式会社 愛智出版. 291 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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