• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

中国古石炭層中の天然フラーレン調査

研究課題

研究課題/領域番号 11691149
研究種目

基盤研究(B)

応募区分一般
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

大澤 映二  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40001763)

研究分担者 小澤 理樹  豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30293757)
保柳 康一  信州大学, 理学部, 助教授 (30202302)
千々和 一豊  山口大学, 教育学部, 助教授 (50217238)
キーワードC_<60> / 炭素ナノチューブ / 石炭 / 炭素含有鉱物 / 天然フラーレン / 炭素ナノ粒子 / 炭素オニオン / カーボンブラック
研究概要

平成11年11月2日から14日まで中国雲南省一帯で調査を行い、以下のような成果を得た。
1.炭素質鉱物中に世界で始めて天然炭素ナノチューブおよび炭素ナノ粒子を発見した。この鉱物は中国雲南省師宗県地域の大沖溝、雄壁等小炭鉱群地域における主要夾炭層である龍湛層群底部の露頭から採取され、硫化鉄とシリカのほぼ1:1混合砂岩であって、中生代最後の三畳紀起源とされる地層に含まれていた。火山活動に伴って龍湛層群の最下部が直接(マグマとの接触)あるいは関節(水熱反応)に加熱を受け、蓄熱によってかなりの高温に達した際に、豊富に共存する鉄の触媒作用を受けつつこれらのフラーレン炭素構造が発生・発達したものと思われる。次年度(平成12年度)における地質学的証明、実験が待たれる。
2.既に以前から中国雲南省ー平浪炭鉱のある特定の炭層(K1bE)中から採取した石炭が天然物としては非常に高濃度のC_<60>/C_<70>を含有することを認めていたが、5年間に亘る濃度の経時変化追跡から、石炭採掘後粉砕して空気中に放置すると一次反応速度式に従って速やかにC_<60>/C_<70>濃度が減少することを確かめた。一次速度定数は0.101/月と、墨中における同様なC_<60>減少速度定数に比べて約2000倍となり、石炭がミクロ的には非常に疎な構造であることを示唆する。反応速度式から採掘直後濃度を外挿すると、C_<60>だけで0.31%に達するという驚くべき事実も明らかとなった。今回の調査ではC_<60>を含有するK1bEおよびK5炭層の坑道3次元図作成と、主要地点における試料採取を現地に依頼した。
3.K1bE石炭粉末資料の透渦電子顕微鏡観察から石炭中に煤構造が存在することを発見し、C_<60>/C_<70>が地下における不完全燃焼によって生成したと推測した。この石炭資料に電子顕微鏡内で電子線を集光して照射したところ、煤構造部分が速やかに炭素ナノオニオンに変化したことから、市販煤であるカーボンブラックが優れた炭素ナノオニオン原料となり得る事を見出して特許を申請した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] E.Osawa: "Natural Fullerenes"Fullerene Sci. Technol.. 7・4. 637-652 (1999)

  • [文献書誌] M.Ozawa: "Production of Fullerenes by Combustion"Fullerene Sci. Technol.. 7・3. 387-409 (1999)

  • [文献書誌] 大澤映二: "新しい炭素クラスターーアーク放電に次ぐフラーレン製造法をめざしてー"プラズマ・核融合学会誌. 75・8. 914-920 (1999)

  • [文献書誌] 大澤映二: "天然フラーレン"超微粒子とクラスター懇談会会報. 2・2. 3-6 (1999)

  • [文献書誌] 保柳康一: "砕層性堆積物からなる睦棚ー朝海でのODP掘削ー第174A次航海ニュージャージー沖海水準変動の例"月刊地球. 21・11. 741-746 (1999)

  • [文献書誌] 千々和一豊: "等なんアジア諸国の石炭地質と石炭資源開発の国際協力について"九州大学「アジアの石炭問題と日本の石炭産業」(報告書). 2-9 (1999)

  • [文献書誌] E.Osawa: "Advances in Strained and Interesting Organic Moleaules"JAI Press,Inc.,Stamford,Connecticut. 259 (1999)

  • [文献書誌] 大澤映二: "炭素第三の同素体フラーレンの化学"学会出版センター東京. 258 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi