発展段階の異なるアジア諸国(インド、タイ、マレーシア、日本)を対象に、環境の微量汚染(重金属による汚染に重点をおく)が誘発する人の健康リスク評価の現況を、研究状況、国等による環境対策・環境モニタリングの実施状況、食糧・飼料の輸出入と食習慣等の視点から分析し、その特性を明らかにする。環境汚染の実態と、各国がそれぞれの状況に応じて採用している環境保全対策と、人の健康リスク管理対策の特性を比較・検討する。併せて、アジア諸国における、人の健康リスクに注目した環境監視・影響評価・リスク管理の国際共同学術研究の実施可能性について検討する。 平成12年度は、外国人共同研究者であるIndian Institute of TechnologyのMukesh Sharma助教授をお迎えし、研究代表者等が実施しているDDTによる環境汚染と日本人を対象にする健康リスク評価研究の現状を紹介し、インドにおいて同様の研究を同じリスク評価手法を用いて実施する方策について打ち合わせた。収集すべき環境データ等を吟味し、Indian Institute of Technologyにおいて収集することとした。また、同じく外国人共同研究者であるUniversity of Sains MalaysiaのAbdul Aziz助教授をお迎えし、研究代表者等が実施しているDDTおよび有鉛ガソリンの使用による環境汚染と日本人を対象にする健康リスク評価研究の現状を紹介し、マレーシアにおいて同様の研究を同じリスク評価手法を用いて実施する方策について打ち合わせた。 研究代表者である森澤は体内に摂取された有害物質の体内動態と代謝、特定の臓器・組織へのそれらの蓄積を評価するモデルの開発を、また研究分担者である米田はプラスティック可塑剤等による室内汚染とそれらへの曝露評価に着手した。
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