東南アジアに特有な伝統的発酵食品の比較調査

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11691153
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 応募区分: 一般
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 関 達治 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (50029245)
• 研究分担者: 五十嵐 泰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90114363) ; 冨田 房男 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60217536) ; 吉田 敏臣 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (00029290) ; 駒形 和男 東京大学, 名誉教授 (70013331) ; 小崎 道雄 昭和女子大学, 名誉教授 (80078055)
• キーワード: 東南アジア / 発酵食品 / 酒類 / 魚類発酵食品 / 酢酸菌 / 乳酸菌 / 酢酸菌 / 麹

研究概要

1.ラオスにおける伝統的発酵食品に関する調査
ラオスの伝統的発酵食品、特に糖質を原料とする酒類、魚類系発酵食品、発酵麺類について、生産現場並びに市場を調査し、近隣国、特にタイの伝統的発酵食品との類似性を検討した。調査の結果、当初期待した文献等研究資料は存在しなかったので、日本およびタイの研究者により分担取りまとめすることとし、現在検討中である。
2.ベトナムにおける伝統的発酵食品に関する調査および取りまとめ
前回の調査をより正確にするため、現地調査を追加的に実施し、前回の調査結果とともに取りまとめを行った。ベトナムの担当者は発酵食品の種類、原料、製法、行程、関与微生物について資料を整理した。また、スタータとしての麹の比較を行った。
3.情報の収集と整理
東南アジア諸国(タイ、マレーシア、ベトナム、西インドネシア、フィリピン、中国、韓国)における発酵食品に関する既存の情報を現地研究者の協力により収集するとともに、それら学術等資料を整理した。タイについては100点以上の発酵食品について種類、原料、製法、行程、関与微生物について資料を整理した。
4.発酵食品に関与する微生物の分類学的研究
発酵食品の製造に大きく拘わっている酢酸菌、乳酸菌の分類学的研究を進め、新属の提案も含めて報告した。

研究成果

• [文献書誌] Navarro,R.R: "Differentiation of Gluconacetobacter liquefaciens and Gluconacetobacter xylinus on the basis of DNA composition, DNA relatedness, and oxidation products from glucose"J.Gen.Appl.Microbiol.. 45. 7-15 (1999)
• [文献書誌] Yamada,Y: "Identification fo acetic acid bacteria isolated from Indonesian sources, especially of isolates classified in the genus Gluconobacter"J.Gen.Appl.Microbiol.. 44. 23-28 (1999)
• [文献書誌] Yamada,Y: "Asaia bogoriensis gen. nov., sp. nov., an unusual acetic acid bacterium in the α-Proteobacteria"Int.J.Syst.Evol.Microbiol. 50(in press). (2000)
• [文献書誌] 岡田早苗: "Lactobacillus sakei のラセミ乳酸生成はラセミアーゼによるか"生物工学. 77(11). 470-472 (1999)
• [文献書誌] 岡田早苗: "緩慢な生育をする乳酸菌の特性"食品工業. 42. 26-32 (1999)
• [文献書誌] 吉田集而: "シッキムの発酵食品"民俗学. 23. 67-76 (1999)
• [文献書誌] 小崎道雄: "ベトナムの吸管米酒、ルオウ・カンの製法と拝啓"伝統食品の研究. 21. 17-23 (1999)
• [文献書誌] Thouc,T.L.: "Proceedings of International Conferrence on Asian Network on Microbial Research"Preliominary studies on traditional vinegars from southern region of Vietnam. 896 (1999)