| 研究課題/領域番号 |
11691155
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 研究機関 | 大阪市立大学 |
|---|
研究代表者 |
富樫 穎 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10047251)
|
|---|
| 研究分担者 |
井原 徹 西日本工業大学, 工学部, 助教授 (80131796)
藤本 尚久 西日本工業大学, 工学部, 教授 (70088425)
上田 博之 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70291599)
|
|---|
| キーワード | 住空間構造 / ダイ族 / 中国 / 雲南省 / 空間分節 / 空間序列 / 空間領域 / 世界観 |
|---|
| 研究概要 |
本年度はダイ族9支族の居住分布とその住居形態、住空間構造の特徴を把握することを目的として、雲南省の8政区を予備的に調査した。
結果として、9支族の居住地分布の概要、主要居住地が明らかとなり、支族間の住居形態の違いが明らかとなった。また、予備調査から、各支族の伝統的住居の住空間構造の概要が明らかとなった。
住居形態としては、高床式住居と土掌房と言われる日干しレンガの組積造の地床式住居に大きく分かれ、支族毎にこれらの住居形態のいずれかの住居に居住することが明らかとなった。これは、これまでダイ族が水稲稲作を行うか否かという事項から分類された水タイ族、旱タイ族という分類と合致し、水稲稲作と高床式住居の関連性も示唆する結果となっている。
住空間構造では、高床式住居と地床式住居で大きく空間構造が異なること、さらに同様の住居形態であっても、支族毎に空間構造に差異があることなどが明らかとなった。しかし、住居形態や支族の別に関係なく、(1)空間が柱間を基準として、分割されていること、(2)それらの分割された空間を、カミーシモ、オクーマエの空間序列概念により序列・結合していること、(3)この序列概念は民族のもつ観念(世界観、男女観、宗教観など)と深い関わりがあり、それらによって成立した空間構造が住居における生活・行為までも規制していること、などの住空間構造が存在することが明らかとなった。
次年度は、これらダイ族9支族の主要居住地毎に詳細調査を行い、住空間構造の共通点、差異を明らかにし、住空間構造の住居の近代化に伴う継承点・変容点を明らかにしたい。これらの詳細調査をもとに9支族の住空間構造を比較することで、ダイ族の住空間構造を総合的に把握したい。
|
