研究課題/領域番号 |
11691161
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
片倉 晴雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40113542)
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研究分担者 |
小島 純一 茨城大学, 理学部, 助教授 (00192576)
木村 正人 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (30091440)
高久 元 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40236203)
中野 進 広島修道大学, 商学部, 教授 (70237337)
鶴崎 展巨 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (00183872)
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キーワード | アジア熱帯 / 種分化 / 生物多様性 / 東洋区 / オーストラリア区 / 陸産節足動物 / ウォーレシア |
研究概要 |
1)生物の種多様性は熱帯地域でもっとも著しいが、熱帯生物の種分化に関する知見は極めて乏しい。本研究では、多数の島嶼を擁し、東洋区とオーストラリア区という2大動物地理区にまたがるインドネシアを研究の舞台として、もっとも多様に分化を遂げている陸産節足動物を対象に、その多様性創出の機構を解明することを目的としている。3年計画の2年目である本年度は、下記の地域を調査対象として選び、調査を行った。 スマトラ島:パダンおよびその周辺;ジャワ島:ゲデ・パンガランゴ国立公園、ボゴール植物園、スラバヤ近郊;スラウェシ島:スラウェシ島南部のマカッサルおよびタナ・トラジャ周辺;ロンボック島:全域;スンバワ島:全域。 2)上記の調査地域において、マダラテントウ類、甲虫類全般、ガ類、ショウジョウバエ類、社会性狩りバチ類、便乗性ダニ類、ザトウムシ類、ヤスデ類の分類学的研究を行うと共に、生活史、食性に関する情報、食草標本などの収集を行った。地理的変化の様相は分類群によって異なっており、例えば、マダラテントウ類ではウォーレスラインを境界とする種があるほか、スラウェシが独自の種を擁するが、社会性狩りバチでは、地理的な特徴はあるものの、ウォーレスラインの影響は顕著ではない。また、ヤスデやザトウムシでは、小スンダ列島を東に向かうにつれて乾燥がすすみ種数が減る傾向がある。 3)DNA分析用に上記節足動物の固定サンプルを得た。 4)ジャカルタ近郊チビノンのボゴール動物博物館に所蔵されている関連標本の調査を行った。 5)チビアシナガバチおよびマダラテントウ類に関する結果の一部を出版した。
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