研究課題/領域番号 |
11691164
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
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研究分担者 |
井上 昇 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 講師 (10271751)
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
福士 秀人 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10156763)
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80137900)
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キーワード | タイレリア / バベシア / 原虫 / 野生動物 / 系統進化 / ヘルペスウイルス / ロドコッカス / rRNA遺伝子 |
研究概要 |
ある種の動物、人の病原体は野生動物社会と人間あるいはその飼育動物社会との間を往来し、種々の疾病を引き起こす。病原体がこのような生物学的、生態学的障壁を乗り越え、新宿主内での増殖を達成するためには、新たな侵入、定着機構、宿主生体防御反応への反撃や回避など多様な戦略が必要であると考えられる。本研究では野生動物と人間、家畜が密に接触する機会の多いアフリカをフィールドとして、原虫、ウイルス、細菌を含む各種病原体を家畜・野生動物、あるいは生息環境(土壌)から分離し、その病原性にかかわる遺伝子を中心に解析を行い、病原体の新宿主獲得戦略を分子論的に解明することを目的とする。 12年度において南アフリカ、ケニアにおいて野生動物の血液試料を収集し、ヘルペスウイルス、タイレリアなどの住血原虫類の遺伝子検索を行った結果、野生動物にこれらの病原体が広く存在していることを明らかになった。今年度はこれら陽性試料について塩基配列解析を行い、家畜等の病原体等との類縁関係明らかにした。すなわち、DNAポリメラーゼを標的とするPCRにより、ヘルペスウイルスは4種のレイヨウおよびサイから検出された。また、rRNA遺伝子を標的とするPCRにより水牛、ハイエナからタイレリア、バベシア原虫遺伝子を検出した。それぞれの遺伝子について塩基配列を解析し、系統進化解析を加えた。また細菌学的調査では馬飼育地の土壌からRhodococcus equiを分離し、強毒プラスミド保有株の存在を確認したが、そのタイプは欧州の馬から分離される型と同一であった。またザンビア国内の国立公園でシマウマの糞便、土壌検査を行い、多数のR.equi株を分離したが、強毒型菌は見いだせなかった。
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