研究課題
基盤研究(A)
平成11年8月に研究代表者と分担者2名がザンビアを訪問し、現地の研究協力者を交えて野生動物の供試材料(血液、臓器、寄生虫)の採取方法を検討した。その結果ロッキンバー国立公園でカフエレチュエを9月〜11月に18頭狩猟する免許を取得し採材に成功した。また同期間にルサカ近郊6カ所の屠畜場においてウシの頭部より脳神経を採取した。さらに平成12年1月に研究分担者1名がザンビア・コッパーベルト地方に赴き、ウシの血液と内部寄生虫(肝蛭)を多数採取した。これらの材料を用いて、ザンビアにおけるウシとカフエレチュエの主要原虫性疾病(タイレリア、トリパノゾーマ)ならびにウィルス性疾病(リフトバレー熱、ヘルペスウィルス感染症)の病原体の抗体調査と病原体に関する分子疫学的解析を行っている途中である。またウシとカフエレチュエに寄生する肝蛭の遺伝学的相同性を検索中である。ウシおよび野生動物の生殖器(胎子を含む)の採材は今年度はできず、次年度重点的に検索を行う予定である。このように本研究初年度は交通不便な電気設備のない国立公園において、新鮮な野生動物材料をいかに入手し、検索するかの方法論を確立することに重点を置いたので、採取検体数は当初の予想より少なく、検索成績もまとまっていない。本年度の経験を踏まえて次年度は集中的に採材する手はずを整えている。またザンビア国内で新鮮材料を検索できるように試薬器材を整備したので、次年度は比較的長期間研究者が滞在し検索する予定である。