研究課題
平成12年8月に研究代表者と分担者3名がザンビアを訪問し、現地の研究協力者とともにロッキンバー国立公園でカフエレチュエを捕獲し、血液、臓器、寄生虫を採材した。また滞在期間中にロッキンバー国立公園と接する地域のウシの血液、ルサカ近郊屠畜場でウシの肝蛭、ロワーザンベジおよびリビングストン国立公園でシマウマの糞、各種野性獣の被毛なども採材した。カフエレチュエは研究協力者により9月、10月にも継続して採材した。これらの材料を用いて、ザンビアにおけるウシとカフエレチュエの主要原虫性疾病(タイレリア、トリパノゾーマ)ならびにウィルス性疾病(リフトバレー熱、ヘルペスウィルス感染症)の抗体調査と病原体に関する分子疫学的解析を行っている途中である。またウシとカフエレチュエに寄生する肝蛭の遺伝学的相同性を検索中である。銅鉱山排液が混入するロッキンバー及びブルーラグーン国立公園に生息する野生生物の、銅、亜鉛、マンガン、鉄などの重金属被曝がもたらす環境危険因子について水、魚、植物(草)、カフエレチュエの間の食物連鎖解析を行った。水以外の全ての因子で重金属濃度が高かったが、毒性は裏付けられなかった。アフリカバッファローおよびアミメキリンの性別不明な死骸被毛よりDNAを抽出し、SRY遺伝子プライマーと共にPCRを行い、PCR産物は電気泳動後DNAバンドの検出状況を調べたところ、SRYプライマーは雄のみに単一バンドを出現させ、被毛からの雌雄鑑別が可能であった。次年度はこれまで採取した材料検索を進め、論文発表を行う予定である。
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