研究課題/領域番号 |
11691166
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原 登志彦 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (80183094)
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研究分担者 |
曽根 敏雄 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222077)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
隅田 明洋 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50293551)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 地理, 助手 (80239855)
本間 航介 新潟大学, 農学部, 講師 (50323960)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | カムチャツカ / ダケカンバ / エゾマツ / 森林動態 / 気候変動 / 森林火災 / カレイタ氷河 |
研究概要 |
カムチャツカ半島KozyrevskのPicea-Betula-Populus天然林内に1haの固定調査区を設置し、毎木調査、各個体の空間位置の計測、5X5m小調査区毎の林冠閉鎖度調査、主要樹種3種の稚樹分布図の作成、林床草本の記載、ギャップ内外での環境計測の開始、主要樹種3種の年輪コアサンプルなどの作業を行った。Piceaの実生は、ギャップよりもむしろ母樹の林冠下に集中して定着しているなど、ギャップ更新を行っていなかった。この地域に多い疎林が形成される過程には、北方地域におけるギャップ内環境の特殊性(土壌凍結や強光阻害、積雪量の違いなどが考えられる)が関与している可能性が高い。 氷河グループの調査は、カムチャツカ半島の東岸クロノツキー半島に位置するカレイタ氷河において、気候変動に対する応答特性と氷河水文学的特性を明らかにすることを目的として実施された。この調査地では、植生グループが一次遷移の植生調査を行った。カレイタ氷河は、ユーラシア大陸で最も平衡線高度が低く気候変動に対して極めて敏感に応答すると考えられ、環オホーツク地域における氷河変動の良い指標となると考えられる。1)氷河の流動観測、氷河の流動に伴う歪み量の観測;2)氷厚測定;3)気象観測および氷河表面の質量収支の観測;4)水位、流量、濁度、水温、河川水の化学分析、水文観測;5)氷河地形の観測・記載を行った。 カムチャッカ半島では近年の急激な社会変化に伴い人為的な山火事の発生件数が増加している。落雷などの自然発火による山火事はこの地域の植生動態を規定する自然撹乱であったが、人為的な山火事頻度の増加は植生や気候変動に大きな影響をもたらすと考えられる。カムチャッカ半島における人為的な山火事頻度の増加が森林植生に与える影響を評価するため、基礎的な植生データの解析とそれにもとづいた森林動態のシミュレーションモデルの構築を進めた。
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