研究概要 |
今年度の学術調査は平成12年7月1日から7月12日まで,モンゴルのヘンテイ山系の永久凍土の森林火災地などで行った。前年,埋設したヒートパイプの3地点を中心に,植生調査,温度データの回収,土壌調査などを行った。各3地点で,3時間毎に1年計測したデータは完全に記録されていた。分析結果,森林火災地の気温は,永久凍土地や草原より冬期の最低温度は低かった。しかし,1月下旬を過ぎると草原の方が温度は低下し,プラスになるのは4月中旬であった。ヒートパイプの冷却効果は極めて大きく,6月下旬まで凍土状態を維持させたが,その後はいずれも融解してしまった。この原因は土壌水分が極めて少ないためであったが,地温が低いことから次年度の継続効果に期待したい。土壌のpHは森林火災地の方が高く,有機物含量も増加傾向にあることが分かった。森林火災地の表層では燐酸やカリの増加もみられた。8月にモンゴルの共同研究者を1名,日本に招聘し仙台で開催された地球温暖化の国際シンポでモンゴル永久凍土の現状を発表した。11月に残り2名の研究者を招聘し帯広畜産大学でモンゴル学術セミナーを開催した。
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