研究課題
基盤研究(A)
平成11年10月3日から28日まで、インドネシアのスラウェシ島で、日本人研究者4名とインドネシア人研究者3名、調査補助者5名による調査を行った。この島は約15万年前に、それぞれ東洋区とオーストラリア区に属する2つの島が衝突して形成されたため、島の東西で生物相が異なっていると想定されている。そこで、それぞれの研究者の専門とする分類群の生物多様性を調査した結果、少なくとも、虫えい形成昆虫類6目240類、アリ類7亜科80種、寄生性膜翅目40科種数不明、ウンカ・ヨコバイ類17科100種、アブラムシ類13種、キジラミ類4科20種、鞘翅目900個体、チョウ類7科100種を採集した。この調査で採集した莫大な数の昆虫標本は日本に持ち帰り、寄主植物標本はボゴールで、それぞれ専門家による同定作業を続けている。これまで種がある程度まで同定されたウンカ・ヨコバイ類では、島の東西で、形態学上類似した種が約30%の割合で重複していた。また、虫えい形成昆虫類の分類群別出現頻度はジャワ島の頻度によく似ていた。さらに、多くの分類群では、2つの島が衝突した付近で最も多様性が高かった。
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