研究課題/領域番号 |
11691193
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
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研究分担者 |
篠田 謙一 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30131923)
分部 哲秋 長崎大学, 医学部, 講師 (50124847)
山口 敏 国立科学博物舘, 人類研究部, 名誉研究員 (80000115)
北川 賀一 長崎大学, 歯学部, 助手 (70186237)
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キーワード | 古人骨 / 弥生人 / 中国 / 日本人の起源 / 江南地方 |
研究概要 |
今年度も昨年に引き続き、北部九州の渡来系弥生人の源郷を明らかにする目的で、中国各地の新石器時代後半から漢代にかけての古人骨調査を実施した。これまでの我々の調査によって、長江下流域の春秋戦国期〜漢代の人骨が形態、遺伝子ともに日本の北部九州弥生人に強く類似することが明らかになっているが、その正確な位置づけには、中国各地の古人骨との比較検討を経た上での考察が不可欠である。今年度はまず、昨年と同様に上海自然博物館、及び吉林大学において収蔵人骨の調査を行い、併せて新たに西安市文物局との共同研究も開始した。上海自然博物館には中国西端に位置する新彊ウイグル自治区出土の新石器時代人骨(ハミ遺跡、B.P.3200)が収蔵されており、昨年度より外国隊としては初めて調査する許可を与えられたものであるが、今年度は昨年の調査で時間的に未調査で残されていた分、約30体についてのデータ採取を行い、同遺跡の人骨調査を終了した。併せて、中国側共同研究者と合同で同館において、同遺跡を中心に中国及び日本の古人骨に関するシンポジウムを開催した。吉林大学では、収蔵人骨の内、調査対象を日本の弥生人との関係を探る上で重要と思われる中国北方、旧満州地域の青銅器時代〜漢代資料(41体)に絞り、人類学的調査を実施した。また、中国の古都、西安市文物局では、近年の開発ラッシュによって出土した大量の古人骨が収蔵されており、今年度から新たに、その中の春秋戦国〜漢代の人骨資料(38体)について、共同研究を実施した。以上について研究成果をまとめるため、平成13年1月と2月に吉林大学、西安市文物局、鄭州大学の研究者(計3名)を招聘し、研究結果について検討を加えた後、調査報告書を作成した。
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