研究課題/領域番号 |
11691195
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
今市 涼子 日本女子大学, 理学部, 教授 (60112752)
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研究分担者 |
吉田 彰 (財)進化生物学研究所, 主任研究員 (70090933)
塚谷 裕一 岡崎基礎生物学研究所, 助教授 (90260512)
岡田 博 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40089892)
加藤 雅啓 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20093221)
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キーワード | 一葉植物 / イワタバコ科 / 異形子葉性 / 分子系統 / 個体発生 / 進化 |
研究概要 |
平成12年12月8日(金)から平成13年1月9日(火)の33日間の海外調査を、マダガスカル及び南アフリカにおいて行った。南アフリカではダーバンにて、一葉型とロゼット型種を含めStreptocarpus(ウシノシタ属)36種を採集した。マダガスカルではフォールドファン、アンタナナリボ、サンババにて一葉型、ロゼット型、草本型、および木本型という多様な体制を示すウシノシタ属の計7種を採集した。現地で葉の一部を強制乾燥させDNA用試料として持ち帰り、これについては現在、分子系統解析中である。また現地にて様々な成長段階にある個体をできる限り採集しFAAに固定して持ち帰った。現地で採取した種子は既に播種し、個体発生解析の試料用として現在生育中である。 昨年度のマレーシア、タイでにおける調査によって試料を収集したMonophyllaeaについても分子系統解析と個体発生解析を進めた。分子系統解析によって基部に位置することが明らかにされたM.grablaと、かなり末端に位置し、大型子葉が2裂するという特殊な形態を示すM.fissilisの個体発生過程を比較した。両種とも大型子葉は基部に存在する基部分裂組織の働きで成長するが、M.fissilisでは基部に花序原基が発生した後で、子葉が2裂すること、その後は花序を作りながら、子葉葉身だけでなく子葉の柄も成長を続ける事がわかった。またウシノシタ属に近縁で外群とされるChiritaについても個体発生過程を明らかにし、子葉の異形化、花序形成様式が両属で同じであることを示した。すなわちChiritaでも2枚の子葉の基部に存在する溝分裂組織(茎頂分裂組織と相同)から花序が分化した。Chiritaでは栄養シュート(茎と普通葉)が作られるが、これは小型子葉の腋芽が起源となることが明らかにされた。
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