研究分担者 |
荒井 修亮 京都大学, 工学部, 助教授 (20252497)
佐藤 克文 国立極地研究所, 研究系, 助手 (50300695)
内藤 靖彦 国立極地研究所, 研究系, 教授 (80017087)
加藤 明子 国立極地研究所, 研究系, 助手 (80261121)
綿貫 豊 北海道大学, 農学部, 助教授 (40192819)
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研究概要 |
平成12年10月から12月にかけて,南極マクマード基地(アメリカ合衆国)周辺の海氷上において,ミネソタ州立大学Donald Siniff教授の研究グループと共同でウェッデルアザラシ調査を行った.ウェッデルアザラシの潜水行動,および潜水中に遭遇する餌生物に関する情報をあわせて取得することを目的として,高分解能行動データロガー(深度,遊泳速度,2軸加速度)および高密度画像ロガー(画像,深度)を対象個体に装着した.この時期はウェッデルアザラシの繁殖期に相当し,生後3週間から6週間の新生仔を持つ母アザラシは,子供を海氷上に残したまま,1日の内に数回海中に入り,潜水を行った後,再び授乳のために氷上の子の所に戻る習性を持つことが知られている.この習性を利用して,いったん装着したデータロガーを,1日から2日後に回収し,計20頭からデータを得ることができた.得られたデータによると,母アザラシは深度300m前後の潜水を繰り返していた.あわせて得られた画像データによると,水面から深度250mまでの間には,餌とおぼしき生物はほとんど映っていなかった.しかし,潜水深度が300m前後に達すると,画像に映る魚などの餌生物数が急激に上昇していた.アザラシの潜水行動様式を細かく見ていくと,目的とする深度まで直線的に潜っており,そこに餌生物が濃密に分布することを把握した上で潜水を開始している様子がうかがい知れた.来年度は,画像情報から餌密度を推定する手法を工夫しつつ,得られたデータをさらに解析していくことを計画している.
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