(1)菌株保存機関の状況把握 OECDのWorking Party for BiotechnologyにおけるBiological Resources Centers調査、OECDのMega-science Forumに端を発したGlobal Biodiversity Information Facility(GBIF)の活動、World Federation for Culture Collections(WFCC)の状況ならびに国内外の代表的な系統保存機関について現状を調査した。その結果、各機関とも、ゲノムプロジェクトの進展と生物多様性研究からの衝撃と情報技術の応用に真剣に対処しようとしていることが分かった。ゲノムプロジェクトは、分類学や応用研究への影響と、ゲノムプロジェクト由来の膨大なライブラリーという系統保存事業への影響がある。生物多様性は、難培養性微生物のカタログ化と培養技術の開発といった研究開発とともに、やはり、膨大な多様な材料の系統保存事業の観点の議論が行われていた。情報技術の応用については個々の機関におけるデータ公開が進むとともに、地域的なネットワークの構築も進む傾向がみられた。 (2)WDCMの機能強化 WDCMのデータベースCCINFOに登録されている機関について調査を行い1998年に第1回目のデータ更新を行った。続いて、2001年に2月に調査を行い第2回目のデータ更新を行った。また、いわゆる発展途上国へのインターネットの普及が進んでいることから、Webブラウザーとインターネットを介して登録情報をオンラインで追加更新できるシステムの開発に着手した。分類同定システムについては、経済的にも技術的にも可搬性を高めるために、これまで以上に徹底してパブリックドメインのツールだけを使って構築することとした。
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