研究課題/領域番号 |
11691200
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伏谷 眞二 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80108563)
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研究分担者 |
吉崎 文彦 東北薬学大学, 教授 (20158421)
高野 文英 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (20236251)
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キーワード | モンゴル / 伝承医薬 / 肝障害 / 抗炎症 / マクロファージ / 一酸化窒素 |
研究概要 |
1.活性化マクロファージ(Mφ)が産生する一酸化窒素(NO)は、生体防御因子として作用する。しかし、炎症時に多量に産生された場合には炎症を悪化させる。したがって、活性化MφのNO産生を抑制する物質には抗炎症作用が期待されるため、我々は活性化MφのNO産生を抑制する物質の探索を行っている。先にモンゴルで採集した44種の植物エキスのついて調べ、Scizonepeta multifida、Halenia corniculata、Artemisia sieversiana、Stellera chamaejasme、Artemisia vulgaris、Geranium pratensおよびLeontopodium ochroleucumにNO産生抑制効果があることを明らかにした。今回、そのうちのHalenia corniculataのメタノールエキスについて、MφのNO産生抑制効果を調べながら活性物質の単離を行った結果、活性物質としてHc-Aを単離した。Hc-Aは、1.25-20.0μg/mlの濃度範囲で細胞毒性を示すことなく、濃度依存的にMφのNO産生を抑制した。さらに^1H-および^<13>C-NMRスペクトルの解析からHc-Aはフラボノイドの一種であるルテオリンであることを明らかにした。 2.重要な生薬・甘草の資源確保を目的に、先にモンゴルでのウラルカンゾウの自生状況を調査した。今回、モンゴル産ウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis)の栽培について検討した。平成11年7月にウムヌゴビ県のダランザドガド西北地域で採集したウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis)種子を温室内で播種・育種した後、薬用植物園の圃場で栽培した結果、2年目に入っても順調な生育を続けている。栽培に関する研究結果は、自生状況の調査結果とともに7月に開催された「甘草に関するシンポジウム」で発表した。
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