研究課題/領域番号 |
11691209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀田 博 神戸大学, 医学部, 教授 (40116249)
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研究分担者 |
藤田 恒憲 神戸大学, 医学部, 助手 (00314477)
川端 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (30175294)
乙葉 基子 (藤井 基子) 神戸大学, 医学部, 助手 (90304089)
岡 清正 神戸大学, 医学部, 助手 (70314474)
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キーワード | インドネシア / C型肝炎ウイルス / GBウイルス / TTウイルス / 分子疫学 / 遺伝子型 / 血中ウイルス量 / 多様性 |
研究概要 |
インドネシア・スラバヤ市におけるC型肝炎ウイルス(HCV)及び新しい肝炎ウイルス候補として報告されたGBウイルス(GBV-C)及びTTウイルス(TTV)について分子疫学調査を行い、以下の成績を得た。 1)HCVサブタイプ1b(HCV-1b)とHCV-1cは血中ウイルス量が多く、一方、HCV-2aは少ない傾向があることを確認した。しかし、比較的高い血中ウイルス量を示すHCV-2aもみられた。HCVのNS5A蛋白はウイルス遺伝子の複製やインターフェロン感受性に関与している可能性が指摘されている。そこで、血中ウイルス量の異なるHCV-2aのNS5A蛋白の推定アミノ酸配列と血中ウイルス量との相関の有無について検討した。現在、10株について、NS5A遺伝子全領域を増幅し、C末端250塩基を除いてほぼ全領域の配列を決定した。次年度に、残る部分の塩基配列を決定後、株間の比較を行い、血中ウイルス量と相関するアミノ酸配列について検討する予定である。 2)GBV-Cによるウイルス血症と肝機能異常との相関の有無について、健常供血者及び慢性肝疾患の血清を用いて検討したが、明らかな相関は認められなかった。この成績より、持続感染においてはGBV-Cは明らかな肝病原性を示さないことが示唆された。また、本ウイルスの多様性に関して、ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域とE1領域の塩基配列の分子系統樹解析を行い、これまでに報告されていない新しいサブタイプのGBV-C(タイプ5)を見いだした。このタイプはインドネシアのGBV-Cの約40%を占めることがわかった。他に、我々がタイ王国で初めて見いだしたタイプ4のGBV-Cも約40%にみられた。 3)TTVについては、健常供血者の33%(20/61)が血中TTV DNA陽性であった。HCV抗体陽性供血者では36%(12/33)、HCV抗体陰性供血者では29%(8/28)が血中TTV DNA陽性であり、両者の間に有意差は認められなかった。
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