研究課題/領域番号 |
11691212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90030866)
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研究分担者 |
ガルシア・デル・サス エバ 高知医科大学, 医学部, 助手 (10294828)
奥宮 清人 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (20253346)
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (70190494)
安野 早巳 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (40144307)
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キーワード | ニューギニア原住民 / 身体機能検査 / 血圧測定 / 年齢 / 血圧 / 栄養 |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびパーキンソン病とアルツハイマー病が合併した病態を示すパーキンソン・痴呆症候群(PD)は、グアム島およびニユーギニア島にみられる特異な神経難病として知られている。グアム島においては1960年代に精力的に調べられたが、未だににその原因は特定できていない。ニューギニア島においては政治的な事情もあり、まだ十分には調査されていない。本研究は西ニューギニア島地域(イリヤンジャヤ州)のおけるSLAおよびPDの実態を調査し、その遺伝的、環境的要因の関与をさぐることを目的とする。今年度は今年度はその予備調査としてイリヤンジャヤ州の中心地バリム盆地のソロバ村を中心に215人(男性108人、女性107人)の調査を行った。 1.年齢は乳幼児を除き、8歳から67歳までであったが、60歳以上は18名のみで、平均年齢37.079歳であった。平均寿命が短いことを示唆している。 2.主観的健康度、主観的経済状態および主観的幸福度を最低0、最高100で表示し、それぞれの平均をみると、健康度は25.902で自分たちをあまり健康とは考えておらず、経済状態は46.477でそこそこである。幸福度は68.846で現状にあまり不満はないようであるが、女性の方がやや幸福度は低い。 3.身長は男性が平均159.5cmで、最低128cm、最高175cmである。女性は平均150.9cmで、最低127cm、最高163cmであり、男女ともやや小柄な方である。 4.血圧は収縮期平均が100.799で拡張期平均が56.464である。最高血圧は132で、最低は36であった。高血圧症は皆無であった。 5.血液検査ではTP値が低く、栄養状態がかなり劣悪であることを示唆している。その他は異常がなかった。 このようにこの地域の住民は予想したようにいわゆる生活習慣病はなく、塩分の摂取がかなり低いことによると考えられる。神経疾患としては、聞き取り調査により、Epilepsyの率が高いようであり、あまり火の通っていない肉を食するための嚢虫症等が考えられる。今後症例数を増やすとともに、ALS、PD等の調査を行っていきたい。
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