研究課題/領域番号 |
11691219
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 満 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10196876)
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研究分担者 |
野田 文隆 大正大学, 人間科学学部, 教授 (30317648)
山本 和儀 琉球大学, 医学部, 講師 (80210524)
宮地 尚子 近畿大学, 医学部, 講師 (60261054)
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キーワード | 多文化間精神医学 / 海外在留邦人 / 精神科救急 / 地域精神医療 / 社会精神医療 |
研究概要 |
平成11年度は、世界各地において、邦人の精神保健の現状と邦人が利用可能な精神医療資源に関する聞き取り調査を行った。鈴木は、平成11年5月にサンフランシスコにおいて、日系人を含む邦人各世代の精神保健問題について調べるとともに、海外在住研究分担者の本間と研究打ち合わせを行った。野田は、バンクーバー総合病院において邦人のための精神科診療を2ヶ月に1回施行する一方、地域精神医療における日本語サービスのあり方を模索してきたが、同年5月に「日本人、日系人の心のケアシンポジウム」を同地で開催し、多方面からの情報収集と相互支援体制の強化を行った。宮地は、9月にニューヨークでの予備調査とボストンでの本調査の準備を行い、巨大都市ニューヨークでの調査可能性を探るとともに、10年前にボストンで自ら立ち上げた邦人支援組織等の調査を行った。山本も9月にメルボルンおよびジャカルタでの情報収集を行い、邦人支援組織との協力体制を築いた。海外在住研究分担者である高田は、メルボルンにおける調査準備を精力的に進め、調査デザインに関する具体的な提案を行った。鈴木と山本は、平成12年2月にアジア地区の調査に赴き、鈴木は設立間もないホーチミン日本人学校での調査等を進め、山本はジャカルタでのネットワークをさらに広げた。両者は合流し、2万人の邦人を擁す近代都市国家シンガポールにおける邦人受け入れ病院に関する調査を、シンガポール大学精神科医との意見交流等を参考に行った。平成12年2月には、研究協力者である倉林が、ロンドン、パリ、デュッセルドルフでの聞き取り調査を行った。国内での打ち合わせは、平成11年7月、12月に行った。なお、平成12年3月に盛岡市において第7回多文化間精神医学会を開催する。同学会では、シンポジウム「海外邦人の危機介入から社会心理学的支援」を鈴木が企画運営し、以上の調査に関する中間報告を盛り込む予定である。
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