研究課題/領域番号 |
11691222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 一般 |
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
飯野 四郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30010309)
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研究分担者 |
折戸 悦朗 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60204294)
溝上 雅史 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40166038)
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キーワード | TTウイルス / 肝細胞障害性 / Genotype / 地理的分布 / 肝炎ウイルス |
研究概要 |
TTウイルス感染率、genotypeの地理的分布および感染と肝疾患との関連性について検討した。TTウイルス感染は、検出用のプライマーの改良とともに、当初考えられていたよりもはるかに高率に検出されることがわかってきた。特にTakahashiらが改良したプライマーを用いると、健常供血者でも80〜90%がTTウイルス陽性となる。従って、このウイルスの病原性を疑問視する意見が多く出されるようになってきている。しかし、このウイルスは多くのgenotypeに分類されることがその遺伝子の分子進化学的解析から示されているが、一部の研究者の間では、そのいくつかのgenotypeの中で特に1型のgenotypeのウイルスが肝障害を引き起こすのではないかと考えており、現在のところまだ最終的な結論は出ていない。我々のこれまでの検討では、世界各国から得られた検体において色々な新しいgenotypeが発見されてきたが、現在までのところTTウイルス感染が明らかな肝障害を引き起こしたとする結果は得られていない。さらに、リアルタイムPCR法にTTウイルスDNA量とALTの変動との関係も検討したが相関はみられなかった。また、C型慢性肝炎患者において、TTウイルス陽性者と陰性者においてHCV感染を修飾するかどうかについても検討したが何ら影響はみられんかった。今後はC型肝炎ウイルス感染者やB型肝炎ウイルス感染者についても各国からの検体を集め、それぞれのgenotypeとTTウイルス感染との関連についてさらに検討を進める予定である。
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