研究課題/領域番号 |
11691225
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
澁谷 博孝 福山大学, 薬学部, 教授 (50116042)
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研究分担者 |
北村 千浪 福山大学, 薬学部, 助手 (80330687)
大橋 一慶 福山大学, 薬学部, 助教授 (90213826)
石津 隆 福山大学, 薬学部, 助教授 (90159749)
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キーワード | ウサダ・ロンタール / 伝承薬 / ヒンズー教徒 / インドネシア / バリ島 / ロンボク島 / 天然薬物 / 古代バリ語 |
研究概要 |
本学術調査は、インドネシアのバリ島及びロンボク島に生活するヒンズー教徒が伝承する古文書「ウサダ・ロンタール」の実態調査を行い、新しい天然薬物の発掘を目的としている。バリ島及びロンボク島に生活するヒンズー教徒は、古くから「ロンタール」と呼ばれる、ヤシ科植物Borassus flabelliferの乾燥葉に古代バリ語で記述した古文書を伝承している。「ロンタール」は、年代別の政治、文化等に関する記述であるが、その中で、種々の病気の薬物治療に関して記述しているものが「ウサダ・ロンタール」である。 本年度は、バリ島及びロンボク島各地に散在している「ウサダ・ロンタール」の実態状況の把握のため、ヒンズー教徒の集落を訪ねるとともに、バリ島の北部のシンガラジャ市にある「ロンタール博物館」、及びロンボク島のマタラム市にある「西ヌサ・テンガラ州立博物館」のそれぞれの学芸員に協力を依頼し、「ウサダ・ロンタール」の保存状況を含めた実態を詳細に調査した。その結果、各地で重複する「ウサダ・ロンタール」の存在が明らかになるものの、これまで各研究機関が別個に情報収集を行ってきたために、これまで判らなかった「ウサダ・ロンタール」の全体像が明らかになり、所在を記した一覧表の作成を行った。 また古代バリ語からインドネシア語への翻訳及び、インドネシア語から英語への翻訳を行い、数種のウサダ・ロンタールに関する翻訳資料を作成した。さらに、翻訳したウサダ・ロンタールに記述された薬用植物名と、それらの用法について検討を行い、種々の知見を得た。
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