本プロジェクトは平成11年度に始まり、本平成13年度は3年計画の最終年度にあたる。初年度の日本とトルコの近代化比較のための諸前提についての知見の共有と分析枠組の構築の試み、第2年度におけるより対象に即した具体的な問題の提示と比較検討をふまえつつ、本年度においては世界システムとのかかわり、支配の組織とその担い手の特質と権力構造、アイデンティティーと社会的変容、ナショナリズムのあり方といったテーマに焦点を絞り、対象のより具体的検討とともに比較分析の作業を行った。 この試みを進めるため、平成11年度の東京・京都、平成12年度のイスタンブルにおけるワーク・ショップに続き、本年度は平成13年7月に、東京では東京大学東洋文化研究所、京都では国際日本文化研究センターにおいて、日本・トルコ双方のメンバーによるワークショップを開催し、前もって日土双方の参加者内での検討討論をふまえ、本プロジェクトのテーマについての現段階での最終結果とりまとめにむけ発表討論を行った。平成14年1月には成果とりまとめにつきトルコ側総括のセルチュク・エセンベル教授が来日し、鈴木と共同で検討した。 成果は最終的には、英文・トルコ文・邦文で出版することをめざしているが、本科学研究費プロジェクトの終了にあたっては、参加者執筆者による英文報告書をもって、成果として提出する。
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