研究課題/領域番号 |
11694006
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡崎 智己 九州大学, 留学生センター, 助教授 (00264119)
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研究分担者 |
小山 悟 九州大学, 留学生センター, 講師 (50284576)
清水 百合 九州大学, 留学生センター, 助教授 (90274539)
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キーワード | BALLI / BELIEFS / 日本語教師 / 中国人日本語学習者 / JFL / JSL / コミュニケーション / 日本人日本語教師 |
研究概要 |
昨年度に引き続きアンケート調査(有効回答者数116人)、面談調査、授業観察、並びに実験授業を中国国内で行った。その他、今年度は日本国内でもアンケート調査(有効回答者数135人)を行い、日中間での日本語の学習・教育に関する意識のあり方の比較分析をした。その結果、明らかになったことは以下の通りである。 1.全体的な傾向として、中国人教師(=CT)も中国人学習者(=CS)も日本語は難しい言語だが、自分は上手に話せるようになるだろうという自信と見通しを持って学習や教育に臨んでいた。 2.一方、日本人教師は(=JT)は、日本語をあまり難しい言語とは考えておらず、また自らの外国語学習能力についてもCTやCSのように強い自信は持っていなかった。 3.CTもCSも外国語学習に関しては実践力の養成を第一に考え、相当に厳しい態度で臨むが、JTにあっては外国学習を一般教養の一部と位置づけ、実際の役に立つかどうかについては比較的鷹揚な態度を示した。 4.CTもCSもJTも外国語の学習は他の専門科目を勉強するのとは違うという点で共通した認識を示したが、言語の4技能の難易度に関する判定では、JTはCTやCSとは異なる判断をする傾向のあることが分かった。 5.1〜4で述べたCTとJTの違いは、CSへの接し方や練習方法の選択、授業の構成の仕方等に何らかの影響を与えるものと考えられた。またCTとJTが共同作業をする場合に障害の要因となる可能性も考えられた。 6.CSについては「テキストを中心とした目型の学習を好む」とか「コミュニカティブな学習活動が苦手である」と言われることが多いが、そうした傾向は固定不変のものではなく、授業の構成次第では積極的にコミュニケーションを主体とした学習活動に活発に取り組む姿が観察された。
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