研究課題/領域番号 |
11694012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
渡部 宗助 国立教育研究所, 教育政策研究部, 室長 (40034665)
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研究分担者 |
竹中 憲一 早稲田大学, 法学部, 教授 (00216920)
佐藤 尚子 広島大学, 教育学部, 教授 (10215824)
石川 啓二 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (60134417)
王 智新 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (10265035)
藤澤 健一 埼玉短期大学, 講師 (00301812)
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キーワード | 植民地教育 / 同化教育 / 奴(隷)化教育 / 皇民化教育 / 侵華殖民教育 / 教会学校 |
研究概要 |
1.本年度は7〜8月期に、分担者5人が中国で資料調査を実施した。特に、中国出身の王は中国東北部三省(黒竜江、吉林、遼寧)を廻り資料調査だけでなく、中国側における研究態勢の地域差の実情も調査した。中国では档案館(文書館)の整備は行われているが、整理、閲覧・複写等の利用者サービスは必ずしも進んではいない。 2.日中両国とも、占領・植民地化時代を知る当事者が高齢化しており、その意味で聞き取り調査は極めて重要である。分担者・竹中は日本の教育を受けた中国人へのヒアリングを精力的に行った。そこでは、異民族間に於ける支配・被支配関係体験のヒアリングの意義・限界と資料としての扱いの難しさが残った。 3.12月24〜27日、大連(中国)で開催された第3回日本侵華殖民教育(史)国際シンポジウムには、研究分担者全員(9人)が参加し、6人が研究報告を行った。このシンポジウムでは、奴(隷)化教育、同化教育、皇民化教育などの植民地教育上の重要概念の再検討・止揚化が目指された。 4.このシンポの特徴として、教会学校や国民党政府の教育政策の再評価が提起されたこと、植民地教育の国際比較研究の必要性が指摘されたこと、参加者に若手研究者が目立ったこと、中国側に個別実証的研究が台頭してきたこと、などが挙げられた。なお、このシンポの報告書は、日中両国でそれぞれ日本文、中国文で編集・発行される。
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