研究課題
基盤研究(A)
1.アラビア半島での参与調査については、(1)平成11年度はサウジアラビア北西部の地域を重点調査地域として、特に首都リヤドから西に位置するハーイル・タイマー・メディナの地域を調査した。調査項目は、北西部地域の巡礼路を中心とした考古学的遺跡の実地調査と、周辺地域住民の民族学的情報の収集であった。リヤドその他の中心都市部では、あわせて近年多く建設されている博物館の現状について聞き取り調査をおこなった。またリヤドの国立文書館、国立博物館、考古博物館庁では、サウジアラビアにおける関連分野でのコンピュータによるデータベース化の現状についても視察した。(2)平成12年度は東部ヒジャーズ地域(メッカまでの地域)と北西部ダンマン地域の調査をおこなった。東部地域ではジェッダ近郊の遺跡ならびに博物館の状況を調査した。ジェッダからメッカまでの地域の遺跡調査とともに、特にターイフでは博物館の状況を重点的に調査した。またターイフは中国系ムスリムの多く居住する地域として著名であり、東アジア世界とアラビア半島の文化交流の観点からきわめて重要な地域であることから、同地域の中国系ムスリムのコミュニティーに関する予備的な参与調査をおこなった。2.民族学研究資料のデータベース化作業については、(1)アラビア語中級辞書用データベースを作成した。(2)サウジアラビア考古遺跡の分布に関するデータベース化作業をおこなった。アラビア半島の遺跡や碑文の分布は全体像がつかめておらず、データベース化による処理作業で、アラビア半島における人口移動や文化交流の実態を把握するのに貢献する。
すべて その他
すべて 文献書誌 (16件)