研究課題/領域番号 |
11694022
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
箱木 眞澄 広島経済大学, 経済学部, 教授 (20007412)
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研究分担者 |
高樋 巧子 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (00261644)
香川 敏幸 慶応義塾大学, 総合政策学部, 教授 (70050234)
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キーワード | EU環境政策 / ティサ河シアン汚染 / ドナウ河支流汚染 / 都市排水処理 / ソフィア・イニシアティブ / 対外直接投資立地 / ハンガリー環境保護者 / EU環境法制の東欧化 |
研究概要 |
EU加盟に向けての詰めの交渉を行っている中東欧諸国では、アキ・コミュノテールを自国内に取り入れるための様々な準備を行なっている。環境政策についても国内法制定のための準備作業を行なっているが、EUが環境政策の重要性をアムステルダム条約の中に盛り込む等、それをを諸法制や産業政策・経済政策との緊密な関連性のもとに実行しょうとしているために、中東欧諸国も最優先の課題として取り組んでいて、例えばハンガリーでは環境法及びその関連法案については、すでに国内法として2000年秋には議会での成立を見ているはずである。同年1月末に発生したティサ河(ドナウ河の主要支流の一つ)上流域でのシアン化合物(青酸カリ等)汚染に対しては、発生源がルーマニアであったにも拘らず、ハンガリーでの被害が甚大であったためもあって、ティサ河汚染対策本部を設置し、現地視察団を派遣したり、政府間の外交交渉を行って、早急かつ抜本的な対応策をルーマニアに求めるとともに、国内でも流域住民の救済策をすかさず実行するとともに、詳細な報告書を作成して国際機関にもアッピールを行なった。このティサ河ケースは、国際河川における汚染問題取り組みの難しさを象徴している。われわれは、ハンガリー環境保護省及び同省の対策本部を訪問し、報告書を入手するとともに、ドナウ河上流域における都市排水処理施設の効率性についても資料を入手した。また、ブダペスト郊外のセンテンドレ市に立地する地域環境センター(国連の専門機関)からは東欧におけるソフィア・イニシアティブ(環境分野・政策への経済的手法の適用)プロセスについての説明を受けるとともに各種資料を入手した。これらの主内容は今後執筆を予定しているいくつかの論文及び編著書において公表する予定である。このような情報は、わが国企業が直接投資を行うために立地条件を検討する際には大いに役立つからである。
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