研究課題/領域番号 |
11694064
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小川 雅生 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (60016863)
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研究分担者 |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90302984)
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90160829)
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10126328)
宮本 修治 姫路工業大学, 高度産業科学研究所, 助教授 (90135757)
中島 充夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30198098)
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キーワード | 重イオン / プラズマ / エネルギー損失 / 阻止能 / Zピンチ / 核融合 |
研究概要 |
重イオン・プラズマ相互作用実験として、(1)東京工業大学原子炉工学研究所のタンデム型静電加速器を用いた低速重イオンとレーザー生成高密度プラズマ(水素およびリチウム)の相互作用実験と、(2)放射線医学総合研究所(HIMAC)での高速重イオンとZピンチ放電ヘリウムプラズマの相互作用実験を前年度に引き続き行った。(1)については、低速の炭素ビームがプラズマ標的を通過した後の荷電状態分布を測定し、電離・再結合レート方程式に基づく理論計算と5%の誤差範囲で一致することを示した。(2)に関しては、Zピンチプラズマ標的の高密度化を行い、6×10^<18>cm^<-3>の最大電子密度を達成した。測定されたエネルギー損失の入射価数依存性がほとんどないことから、高密度化によりプラズマ標的は入射重イオンに対して十分な厚みを持つことを確認した。また、放電ジッター軽減により、エネルギー損失を従来よりも高精度で評価できるようになった。以上から、プラズマは常温物質に比べて重イオンに対して大きな阻止能を持ち、その原因の一つが入射重イオンの有効電荷の増大であることを実験的に明らかにした。 また、前年度までに開発した固体水素標的に高強度CO_2レーザーを照射し、高密度水素プラズマの発生実験を行った。分光診断の結果、電子密度は10^<17>cm^<-3>程度にとどまったが、レーザースポットの最適化やより高強度・短波長のレーザーを用いることで10^<19>cm^<-3>を越える電子密度を持つプラズマ標的を生成できる見通しを得た。 一方、海外の共同研究者とは国際会議等を通じて盛んに研究交流を行った。平成12年6月には、研究分担者の一人であるNeunerを日本に招聘し、国際会議、研究会等を通じて情報交換を行った。さらに平成13年3月には、共同研究先であるドイツ重イオン科学研究所を小川らが訪問し、研究成果について討論を行った。
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