研究分担者 |
永井 隆哉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20243131)
大高 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40213748)
吉朝 朗 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00191536)
下村 理 日本原子力研究所, 放射光, 部長
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (20126189)
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研究概要 |
珪酸塩鉱物の応力下での構造安定性,また相平衡の研究が多くなされてきた.一方結晶内の転位密度、格子変形の研究から,圧力誘起相転移や固相-固相転移と準安定相の存在や,その機構を究明することも地殼内の固体流動を議論する上で重要である.また地球を構成する岩石・鉱物などの多結晶体の応力場での構造や組織の変化を理解するために,地球内部で起こっている物理化学的また力学的過程(温度,圧力,分圧,電場,磁場,化学ポテンシャルなどの変化)を再現し定量的な実験を基に動的解析を行った.パリ第7大学(Inst.Physque du Globe)のグループはダイヤモンドアンビルを用いて高圧下で熱伝導の測定システムの開発し,世界的に優れた研究を行ってきた.本研究ではパリ大学と共同研究として以下の実験を行ってきた. (1)地殼物質であるオリビン(Mg1-x,Fex)2SiO4について高温高圧状態で電気伝導度の測定した,その結果を基に地球内部の温度(geotherm)を推定する.マルチアンビル高圧装置を用いて最高7GPaで1000℃までの条件で,上記試料の測定を行った. (2)Fe2SiO4について6GPaでオリビン構造のがらスピネル構造への高圧転移の電気伝導度が著しく変化することが明らかになった.電気伝導機構はFe^<2+>⇔Fe^<3+>電子ホッピング機構であることが分かった. (3)下部マントル物質であるウスタイト(Mg1-xFex)Oの電気伝導のFeの組成変動(x=0.1,0.3,0.5)とともに圧力(最高30GPa),温度を変数として測定をダイヤモンドアンビルを用いて行った.Feの増加と供に電気伝導が増加するのはd電子の配位結合の軌道に基づくことが判明した. (4)分担者のパリ大学のProf.J.P.Poirier(Inst.Physque du Globe)のグループと共に共同実験テーマとして,地球中心核物質のFeの高圧高温での融体の相平衡実験を,SPring-8においてマルチアンビル装置による高圧回折装置を利用してを用いて行った.本研究を行うためパリ大学のDr.D.Andraultを招聘し,また大高,下村等が実験協力者として行った.
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