研究課題/領域番号 |
11694085
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮村 修 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80029511)
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研究分担者 |
日置 慎治 帝塚山大学, 経営情報学部, 助教授 (70238252)
金谷 和至 筑波大学, 計算物理学研究センター, 助教授 (80214443)
酒井 淳 山形大学, 教育学部, 教授 (10015828)
中村 純 広島大学, 総合科学部, 教授 (30130876)
橋本 貴明 福井大学, 工学部, 助教授 (30228415)
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キーワード | QCD / ハドロン / シミュレーション / クォーク / グルーオン / 非閉じ込め相転移 |
研究概要 |
宇宙初期の高温状態では、ハドロンを構成するクォーク、グルーオンは非閉じ込めの状態にあったと考えられている。高温高密度状態を実験室で実現することを目指したCERNのSPSにおける超高エネルギー重イオン反応でこのようなクォーク・グルーオン・プラズマ状態の生成の可能性が示唆されており、昨年から始まった米国プルックヘブンのRHICでの精密なデータが出始めた現在、このような高温のハドロンの状態を、第一原理からQCDに基づいて求めることが重要な課題となってきている。本研究では、この分野の世界的なリーダーであるドイツのビーレフェルト大学のKarsch教授のグループとハイデルベルク大学のStamatescu教授のグループと密接な連絡をとり、日欧の間で研究者を派遣しあって研究を進めた。 Karsch教授のグループは、高温でのクォーク・グルーオン系の状態方程式を格子QCDのシミュレーションによって精力的に計算しており、また、その祭に連続極限に近い結果を与える作用についても広範に調査を行った。Stamatescu教授のグループは、広島大学を中心とする日本のグループと共同研究を続けており、特に有限温度での格子QCDシミュレーションのために非等方格子を実用になる段階まで開発し、閉じ込め/非閉じ込め相転移の上でも、クォーク・反クォーク系は強い相関を持っていることが見い出された。これは、これまでの自由なクォークガスの描像とは大きくことなるもので、今後、ダイナミカル・クォークを取り入れた計算でさらに検証を続ける必要がある。
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