研究概要 |
1.オイルボディに内在する2種のペプチダーゼを見いだしたので,その一次構造を解析した。その結果,これらの蛋白質は,カルボキシペプチダーゼおよびチオールプロテアーゼであることがわかった。 2.植物細胞における生体防御は,ファイトアレキシンや各種の酵素系などストレス応答物質の細胞外への分泌によってなされることが見い出されたので,それら化合物のオイルボディ内への蓄積機構と細胞外への分泌機構の解明を計った。このため,植物細胞にあらかじめゲラニオールなどのモノテルペノイドによりストレスを加え,ストレス負荷時にオイルボディ内に発現するストレス応答物質を検索し,その生成がストレス化合物の濃度および種類によってどのように変化するかを調べた。 3.防御物質生合成系の解明のため,フェノール構造を有する生体防御物質(ルヌラリン)の関連化合物を検索し,さらにその生合成に関連する酸化酵素系の解明を計った。 4.オイルボディ内でのステロイド・ステロイドエステルの相互変換機構と代謝調節に直接関与しているステロイドエステルの構造と生合成を明らかにするために,Liverpool大学のL.J.Goad教授(研究協力者)を招へいし,ステロイドエステル類の生合成研究の拡充を計った。
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