研究概要 |
1999年8月、「外惑星の磁気圏に関する研究会」(フランス.パリ大学)を機会に、研究分担者と研究協力者が集まり、赤外・電波で観測される木星磁気圏現象につきディスカッション、蓄積データを検討するとともに、今後の観測計画につき打合わせ。それを受け、佐藤とConnerneyは、1999年に4回、2000〜2001年に5回、IRTF望遠鏡を用い、木星オーロラ現象の赤外線観測を実施。今井とReyes, Carrは、1999年9月〜11月と2000年8月に、赤外線観測と近接した時期の木星電波観測を実施した(UFRO)。 これらのデータから特に北半球オーロラ領域の詳細、IFT輝点の精密な位置を得た(赤外線)。電波データ解析もモジュレーション・レーン・モデルに基づき、イオ関連の電波源の精密位置を得た。非イオ電波源に関してもその発生位置に強い制約を与えることに成功している。これらは木星の北極が地球側に傾く1999〜2000年という時期ならではの、観測・研究成果であると言える。 以上のデータに基づく成果を論文にまとめ発表。また、アメリカ地球科学連合年会(佐藤、1999年12月)、イギリス王立協会会議(Connerney,2000年2月)、ヨーロッパ地球科学学会(今井、2000年4月)、アメリカ天文学会惑星科学部門(佐藤・Connerney,2000年10月)、ヨーロッパ惑星電波研究会(今井・Connerney、2001年4月)において、電波・赤外観測に基づく研究成果を発表している。 今後の展開として、VIP4木星磁場モデルの改良、オーロラ粒子降下フラックス・モデルの発展、モジュレーション・レーン・モデルのさらなる精密化とより多くのデータへの適用、そして赤外線・紫外線・電波のデータを用いた研究を推進してゆく。
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