研究課題/領域番号 |
11694100
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
下川 英俊 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122792)
真田 正幸 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40084264)
高木 康光 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (20212003)
早川 浩 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70150422)
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キーワード | 活性酸素 / 発がん / 突然変異 / 遺伝子ターゲティング / 遺伝子クローニング / 酸化RNA / 大腸菌 / マウス |
研究概要 |
細胞内の代謝過程で生じる活性酸素は細胞の種々の成分を傷つけるが、中でもグアニンの酸化は突然変異をひき起こし、発がんや老化の原因になると考えられる。細胞はそのようなDNAの傷を修復し、あるいは傷の生じるのを防ぐ機構をもっている。大腸菌を用いた先駆的な研究から我々は防御機構を担うと考えられる酵素の遺伝子を同定することができたのでそれを手がかりとして哺乳動物の対応する遺伝子MTH1をクローニングすることに成功した。遺伝子ターゲティングの手法を用いてMTH1遺伝子を欠くマウスを作製したところ、そのようなマウスでは確かに正常のマウスよりも高い頻度で肝や肺にがんが生じることがわかった。グアニン塩基の酸化はRNAやその前駆体においても起こるので、それを防ぐ機構についても研究を進め、その結果大腸菌のMutTタンパクが酸化されたGTP(8-oxoGTP)を分解し、それによって酸化されたグアニンのRNAへの転入を抑えていることがわかった。さらにRNA分子中のグアニンが酸化された場合について研究を行い、8-オキソグアニンをもつRNAと特異的に結合するタンパクを同定することに成功した。同様な機構が哺乳動物細胞にも存在するかどうかは興味深いところであり、大腸菌で同定されたタンパクのホモログを分離して調べている。これらの研究はフランスのパリ大学およびナント大学の研究者との討議を通じて行ったが、本年度はナント大学の研究者が福岡を訪れ共同研究を実施した。
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