研究課題/領域番号 |
11694104
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
吉田 哲也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50222394)
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研究分担者 |
槇田 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30199658)
吉村 浩司 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50272464)
山本 明 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (30113418)
野崎 光昭 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10156193)
佐貫 智行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70323491)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | BESS / 低エネルギー反陽子宇宙線 / 気球搭載型超伝導スペクトロメータ / 陽子・ヘリウムスペクトラム / μ粒子残留大気圧依存性 / 宇宙起源反物質の探査 / 極地長時間気球実験の検討 / Long Duration Flight |
研究概要 |
気球搭載型超伝導スペクトロメータ(BESS)を用いて地磁気限界硬度の小さなカナダ北部において宇宙粒子線観測気球実験を実施し、太陽活動が極大に達する時期での各種一次粒子宇宙線のエネルギースペクトラムを観測した。宇宙線観測気球実験は平成11年8月11日及び平成12年8月10日の2回カナダ・マニトバ州リンレークにて実施された。気球高度約37kmでの高空でそれぞれ34時間、35時間のデータ収集が行われた。これらの観測時間は平成10年度までの実験の1.5倍以上であり高精度観測を実施でき、特にこの2年間だけで1000例を超える宇宙線反陽子事象を捉えた。 この太陽活動極大期における観測によって、今後宇宙起源反陽子の存否を探索していくにあたって、その観測の規準となる二次起源反陽子のエネルギースペクトラムを正確に知るのに不可欠な宇宙線に対する太陽活動影響の電荷依存性を明確に観測した。また一次宇宙線中の反ヘリウム核の探索を進め、世界で最も厳しいヘリウム核に対する存在比の上限値7×10^<-7>を得た。同時に一次宇宙線陽子・ヘリウム成分の精密なエネルギースペクトラムを測定し、特に1GeV以下の低エネルギー領域での統計量を測定器の改良によって改善し、気球上昇中のデータを用いて宇宙線の大気発展モデルの検証を行った。また同じく気球上昇中のデータから二次宇宙線μ粒子成分のエネルギースペクトラムの残留大気圧依存性を観測した。 さらにこれまでのBESS実験で得られた成果を吟味し、将来の方向性を議論するために第7回BESSワークショップを開催し、これまでのBESS実験に比べて一桁以上高感度の宇宙起源反陽子探索を目的とした、極地における長時間気球実験の実施を目指していくことが国内外の研究分担者・協力者により検討された。
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