研究課題
基盤研究(B)
未発見の粒子"ヒッグス"探索を主目的に欧州原子核研究機構(セルン)で建設中のLHCは、数千台の超伝導電磁石で構成される重心系で14TeVの陽子-陽子衝突型加速器であり、2006年から物理実験を開始する予定である。わが国は1995年にLHC計画に協力することを正式に決定した。学術的にも意義があり、最も高度な先端技術を要求する実験衝突点最近傍の強収束四極超伝導電磁石の開発と16台のマグネットの製作を分担することとなった。高エネルギー加速器研究機構がその窓口となっている。平成7〜9年度の科学研究費補助金・国際学術研究(共同研究)による基礎開発研究に引続き、今回の平成11〜12年度の科研費・基盤研究(B)において、本協力の遂行に必要なより具体的な技術開発研究を、モデル電磁石を用いて行ってきた。並行して、将来必ず必要なより強力な強収束四極超伝導電磁石用の先進導体の基礎開発研究も行った。この超伝導電磁石は、高精度、高磁場の要求だけでなく、衝突点からの散乱粒子に曝される過酷な条件で運転される。したがって、運転時の信頼性を考慮すると、10T級の超伝導電磁石であることが要求される。そのために、以下の研究を行った。・モデル電磁石による加速器用高磁場超伝導電磁石開発に必要なデータの蓄積・加速器用高性能超伝導電磁石開発に必要な先進導体の基礎開発研究この研究で得られた成果は以下の通りである。・10T級の強収束超伝導四極電磁石の設計、製作手法などの開発技術が確立された。・次世代高性能強収束超伝導電磁石用先進超伝導導体の開発に目処が立った。
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