研究分担者 |
唐牛 宏 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 教授 (30221196)
林 正彦 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (10183914)
西村 徹郎 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (90260017)
安藤 裕康 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 教授 (90111559)
家 正則 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 教授 (30111446)
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研究概要 |
我々は,大型光学赤外線望遠鏡「すばる」用に,次世代の高性能観測装置を開発して搭載するために,ハワイ大学や英国王立天文台などとともに共同開発研究を行ってきた。今年度は,すばる望遠鏡が本格的に稼働し始めたため,平成12年秋に予定されている共同利用開始に向けて,いわゆる第1期共同利用観測装置の開発に重点を置いて研究を推進した。その結果,冷却中間赤外線観測装置(COMICS),近赤外線分光撮像装置(IRCS),微光天体分光撮像装置(FOCAS),コロナグラフ撮像装置(CIAO),高分散分光器(HDS)の5つの装置を完成させ,望遠鏡に搭載して試験を開始することができた。いずれの装置も,まだ詳細な調整や機能追加が必要であるが,望遠鏡搭載後の初期試験で予定性能のかなりの部分を達成した.また,これらに先立ち,OH夜光除去分光器(OHS)の一部とすばる主焦点カメラ(SuprimeCAM)を試験的に望遠鏡に搭載し,望遠鏡性能を確認するとともに,科学的データを得る事ができた。これらの装置によって,すばる望遠鏡本体の性能が世界最高レベルにあることが実証され,新たな天体現象の発見もなされた。さらに,第2期共同利用観測装置として,ファイバー多天体分光器(FMOS)の共同開発を英国王立天文台と推進し,その主要構成要素である,天体導入マイクロファイバー駆動機構の設計を行った。これは数百本のファイバーを1/1000mmの精度で駆動するという精密技術であるが,マイクロアクチュエータを用いた機構により,実現の可能性が高まった。この他,観測装置の性能をフルに発揮させるため,望遠鏡制御システム,データアーカイブシステムの改造・開発も並行して行った。それぞれ,実用システムとして長期間安定に動作させることに成功した。
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