研究課題/領域番号 |
11694119
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田路 和幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10175474)
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研究分担者 |
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学研究センター, 教授 (10005986)
篠田 弘造 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10311549)
バラチャンドラン ジャヤデクン 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80261593)
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キーワード | フラーレン / フラレンスート / 炭素クラスター / 2量体 / 抽出 / 分離 / アーク放電 / 応用 |
研究概要 |
有機溶媒で抽出可能なフラーレンは、安定な(分子的な)クラスターのみであり、真のクラスターの性質である準平衡性をもつ興味あるクラスターは、依然フラーレン煤のネットワーク中に強い相互作用のために残っていることが確信できた。そこで、本研究ではフラーレン煤中の手つかずの状態の新規炭素クラスターを水熱処理法を基礎とする方法により効率的に抽出し、化学合成法の力を借りて従来の炭素クラスターが示さなかった量子電磁気効果等の機能を有する炭素クラスターの創成と探索を目指す。本年度は、田路グループによるフラーレン煤から抽出した新規フラーレンをクレチマーグループが開発した合成法を用いて、量子電磁気効果をもつ準安定フラーレン多量体を合成し、構造解析およびその電磁気的物性および光物性を検討した。具体的には、研究分担者および協力者である、篠田工藤寿治修士が、3カ月間クレッチマー博士の研究室に滞在して、C140・Oフラーレン2量体の合成法ならびにC139新規フラーレンの合成を試みた。帰国後、その物性研究のための大量合成を行っているところである。また、11月のフラーレンに関する国際会議に一部の研究成果の発表し、さらに今後の研究方針についてクレッチマー博士と討論を行った。現在、平成12年度に計画している物性測定の準備として、クレチマーグループは、準安定多量体フラーレンのNMRを用いた構造決定のための装置開発を行っている。このように、国際共同研究初期段階の目的を達成した。
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