研究課題/領域番号 |
11694119
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田路 和幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10175474)
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研究分担者 |
高橋 英志 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90312652)
篠田 弘造 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10311549)
バラチャンドラン ジャヤデワン 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80261593)
伊藤 攻 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30006332)
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学研究センター, 教授 (10005986)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | アーク放電 / スモールフラーレン / クラスター / C36 / C60 / 水熱処理 / フラーレン酸化物二量体 / カーボンナノチューブ |
研究概要 |
炭素電極を用いたアーク放電煤中には、通常の有機溶媒を用いた抽出が容易であるものと、煤のネットワーク中での強い相互作用により抽出が困難なものがある。有機溶媒で抽出可能なフラーレンは、分子的に安全なクラスターであり、むしろ抽出が困難なものの中にこそ興味深いクラスターが多く含まれているはずである。本研究は、水熱処理などによる方法を用いて、依然としてフラーレン煤中に残存している新規炭素クラスターの抽出、及び従来の炭素クラスターでは持ち得なかった化学合成による量子電磁気効果等の機能を有する炭素クラスターの創製と探索を目標としたものである。 研究内容は、魅力的な炭素クラスター類を大量に含むアーク放電煤合成に関するもの、フラーレン酸化物二量体やC_<60>より炭素数の少ないフラーレン、いわゆるスモールフラーレンなどの合成・単離に関するもの、カーボンナノチューブの高収率合成および高純度精製に関するものに大別することができる。 アーク放電煤合成に関する研究では、チャンバー内の圧力やガス条件・磁場の印加条件などの検討を行い、これが炭素クラスターの収量と密接に関連していることを明らかにした。 フラーレン酸化物二量体の合成に関する研究では、フラーレン酸化物合成および二量体化プロセスの確立と、その単離、同位体同定に関する基礎的知見の獲得に成功した。一方フラーレン発見時には存在しないと考えられていたC_<60>以下のスモールフラーレンについても、アーク放電によるC_<36>の合成及びフラーレン煤からの抽出・分離を試み、合成時の装置依存性等を検討しているところである。 カーボンナノチューブの高収率合成および高純度精製に関する研究では、アークプラズマの制御を通じてナノチューブ合成収率の向上および得られるチューブのサイズ制御を目指し、検討を進めた。磁場を印加してアークプラズマ中での炭素ラジカル密度を制御することによって、ナノチューブの生成時間や成長速度を制御しうることを見出した。
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