半導体レーザ増幅器中の4光波混合とその応用に関する研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11694125
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 河口 仁司 山形大学, 工学部, 教授 (40211180)
• 研究分担者: 川添 忠 山形大学, 工学部, 助手 (50291282) ; 高橋 豊 山形大学, 工学部, 助教授 (00260456)
• キーワード: 半導体レーザ増幅器 / 4光波混合 / 多重分離 / 相互相関法 / 超短光パルス / 光パルス圧縮 / 狭帯域フィルタ / 光パルス波形

研究概要

河口が平11・7・23〜8・6と平11・9・25〜10・8の2回スイス連邦工科大学に、G.Guekosが平11・9・4〜9・10の間山形大に滞在し共同研究を行った。又、川添が平11・8・1〜10・4の間スイス連邦工科大に滞在し、半導体レーザ増幅器を共同で作製した。又、半導体レーザ増幅器中の4光波混合、相互相関法による波形測定および超短光パルス発生に関する研究を行い、以下の点について成果を得た。
(1)半導体レーザ増幅器中の4光波混合
半導体レーザ増幅器を光非線形媒質として用い、サブピコ秒光パルス間の4光波混合特性について理論的・実験的に検討した。特に多重分離(DEMUX)や位相共役への応用を目的として、4光波混合の効率、ON/OFF比およびパターン効果などについて解析した。その結果、DEMUXの最高速度は主に半導体レーザ増幅器の利得帯域幅で決まっていること、比較的強いゲート光を用いれば、パターン効果は実用上問題にならないことがわかった。
(2)相互相関法による波形測定
広い波長幅をもつ超短光パルスから狭帯域フィルタにより切り出したサブピコ秒光パルスは、光通信で広く用いられているが、フィルタリングによるパルス形状の変化については詳しく議論されてこなかった。90fsの光パルスとの相互相関をとることによりパルス波形を精密に測定し、その結果とフィルタ構造より求めた計算結果がよく一致することを示した。
(3)モード同期半導体レーザによる超短光パルス発生
ハイブリッドモード同期半導体レーザで発生した短光パルスは周波数的にチャープしている。このチャープを光ファイバの分散で補償し、光パルスを圧縮し260fsの極短光パルスを発生した。

研究成果

• [文献書誌] H.Kawaguchi, J.Inoue, and T.Kawazoe: "Nonlinear propagation characteristics of sub-picosecond optical pulses in semiconductor optical amplifiers"ECIO'99. 455-458 (1999)
• [文献書誌] 伊藤慶孝、川添忠、河口仁司: "狭帯域フィルタにより帯域制限したサブピコ秒光パルスの相互相関法による波形測定"2000年(平成12年)春季第47回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 発表予定. (2000)
• [文献書誌] 伊藤慶孝、河口仁司: "半導体光増幅器中のサブピコ秒光パルス非線型伝搬特性"2000年(平成12年)春季第47回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 発表予定. (2000)
• [文献書誌] 大場直人、川添忠、河口仁司: "ハイブリッドモード同期半導体レーザの離調特性"1999年(平成11年)応用物理学会東北支部第54回学術講演会講演予稿集. 10aB9. 176-177 (1999)
• [文献書誌] ナロッタム クマル ダス、川添忠、山吉康弘、河口仁司: "SOAにおける4光波混合信号の位相共役特性"1999年(平成11年)秋季第60回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 4a-ZB-1. 1017 (1999)
• [文献書誌] N.K.Das, Y.Ito, Y.Yamayoshi, and H.Kawaguchi: "Four-Wave Mixing Characteristics among Short Optical Pulses with Optimum Time-Delays in Semiconductor Optical Amplifiers"FST'99. WB-8. 50 (1999)
• [文献書誌] 井上潤、河口仁司: "半導体光増幅器を用いたサブピコ秒光パルス間の高非縮退4光混合"電子情報通信学会論文集. Vol.J82-C-I No.11. 663-641 (1999)
• [文献書誌] S.Pajarola, G.Guekos, P.Nizzola, and H.Kawaguchi: "Dual-Polarization External-Cavity Diode Laser Transmitter for Fiber-Optic Antenna Remote Feeding"IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques. Vol.47,No.7. 1234-1240 (1999)