研究課題/領域番号 |
11694126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷村 秀彦 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40111356)
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研究分担者 |
渡辺 俊 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (60212320)
吉田 友彦 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40283494)
藤川 昌樹 筑波大学, 社会工学系, 講師 (90228974)
上北 恭史 筑波大学, 芸術学系, 講師 (00232736)
鄭 小平 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (50251012)
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キーワード | 空間制御技術 / 北京 / 四合院 / 胡同 / QTVR / GIS / 現代化 / 伝統的都市 |
研究概要 |
本研究は、低層・高密な東アジアの伝統的な都市を現代都市として住みこなして行く際に必要な空間制御技術の開発を行うことを目的とし、主たる対象事例として近年「現代化」に伴う変貌により様々な歪みを生じさせている北京市旧市街地の住区を取り上げるものである。そして、対象事例の空間的・社会的・歴史的な特徴をまず明らかにした上で、継承すべき点・改善すべき点の両者を見極めながら、現実性のある再開発モデルを作成することにしている。 本年度は、平成11年8月に北京市豊盛小区の約80メートル四方の地区において、空間調査(建築・インフラ等)、社会・経済調査(住民属性・住民組織・住民の経済状況・住民の意向等)、歴史調査(街区・建築及び住民社会の変遷等)を行った。そして、この調査成果を、CADによる連続平面図・断面図化、GISによるデータベース化、QTVRによる三次元映像化、の各方法により整理した。 これらの作業により、(1)同地区では「現代化」を経つつも依然として北京の伝統的な住宅形式=四合院の空間秩序を保持していること、(2)一方で家族や地縁社会(胡同)は戦後に劇的な変化を遂げていること、そして(1)(2)は北京の多くの地区に共通する特徴であろうことが確認された。以上から、1)街路およびその名称を遺す、2)四合院の建築配置形態を遺す、という方針に基づき、現況よりも高い密度を達成可能な再開発モデル1次案を2例作成した。 来年度以降は他のアジアの都市を事例として参照すると同時に、中国の社会・経済的状況をより詳細に検討することにより、このモデル案を精緻化していく予定である。
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