研究課題/領域番号 |
11694129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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研究分担者 |
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (90198309)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | ブロック共重合体 / ポリエチレングリコール / ポリ乳酸 / 高分子ミセル / コア-シェル型超微粒子 / 生体適合表面 / 表面コーティング / タンパク質吸着 |
研究概要 |
コア-シェル型高分子ミセルを基盤として、より高度な材料設計を進めるとともに、その機能についても評価を展開し、生体材料としての有用性を明らかとする事を目的とした。 (1)反応性ミセル積層表面の構築とそのタンパク質吸着抑制機能の解明:昨年度に調製法を確立したコア重合ミセルによる各種基材表面修飾法を進展させ、厚みと密度がコントロールされたミセル積層表面の構築を推進した。得られたミセル積層表面については、ゼータ電位などの物理化学的解析ならびに蛋白質吸着等の生医学的機能解析を行い、積層回数と表面機能との関連を明らかとした。 (2)末端官能性ブロック共重合体の合成とその表面処理剤としての機能開発:上記(1)と平行して、末端に反応性の官能基を導入したポリエチレングリコールーポリ乳酸ブロック共重合体(PEG-PLA)による各種基材表面のコーティングを行い、その機能化を図った。この様な表面は、tissue engineering用基材としての有用性が期待出来るため、物理化学的特性評価とともに、特定細胞を選択培養可能な培養床としての可能性をも追求した。 (3)末端にチオール基を有するヘテロ二官能性ポリエチレングリコールの調製と金表面の機能化:金表面の機能化は、各種診断デバイスの作成との関連で近年、大きな注目を集めている。ここでは、新しい金表面機能化法として、末端にチオール基を有するヘテロ二官能性ポリエチレングリコールの新規合成法を開発し、それによる金表面ならびに金コロイドの機能化を推進し、診断用素子としての特性評価を行った。 以上のような一連の研究を推進することによって、表面に機能化した親水性自由末端鎖を高密度に配置した材料の設計法を確立する事が出来た。この様な知見は新しい診断・治療用デバイスなどを開発する上での基盤となるものであり、生体医用分野への高い貢献が期待される。
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