研究分担者 |
堀家 正則 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80221571)
笹谷 努 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10002148)
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027253)
久田 嘉章 工学院大学, 工学部, 助教授 (70218709)
岩田 知孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80211762)
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研究概要 |
1.昨年度実施した,トルコ・コジャエリ地震直後のアレー微動観測結果の解析を進展させた.震源域のアダパザリ市やイズミット湾岸地域(ギョルジュク)では,強震記録がなかったこともあり,大きな被災をもたらした強震動特性の評価が極めて重要な課題となった.本年度は微動解析から求めたS波地下構造を基に,強震動特性の評価・シミュレーションを試み,地盤震動特性が地震動の増幅に大きく寄与したこと,特にギョルジュクでは狭い範囲での局所的な地盤構造の差が被災度に大きく寄与していることが定量的に把握された.但し,震源インバージョンの結果を参考にしたシミュレーション結果から,forward directivityの影響が指摘され,震源近傍ではこの2大要素を的確に把握することが必要である. 2.EURO-SEISTEST(Volvi,ギリシャ)での解析はほぼ終了し,盆地を横断する2次元のS波速度構造が微動アレー観測から推定され,他の手法を用いた既存の構造と概ね調和していることが分かった. 3.ヨーロッパを代表する氷河による堆積盆地での地震動評価を行うため,フランス,グルノーブル市での微動アレー観測による構造調査を行った,グルノーブル市はアルプス西端部に位置し,周辺を山岳地帯で囲まれた盆地を形成している.Joseph Fourier大学との共同観測を行い,盆地中央部の堆積層厚が500-600mであること,堆積層のS波速度は深さと共に徐々に大きくなることが疎解析によって求められている.フランス側ではボーリングによる深部での観測を開始しており,観測記録との対応が次年度には可能となる.
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