研究課題/領域番号 |
11694136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
古屋 一仁 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092572)
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研究分担者 |
町田 信也 東京工業大学, 工学部, 助手 (70313335)
須原 理彦 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (80251635)
宮本 恭幸 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40209953)
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キーワード | タングステン細線埋込 / GaAs MOVPE / 電子波バイプリズム / 引力ポテンシャル / 量子干渉デバイス / 微細タングステン細線 / コヒーレンス性 |
研究概要 |
本年度は、共同研究により以下の実績を得た。 1.埋め込まれた金属による電子波バイプリズムの解析 1998年に日本/スウェーデンの共同で提案した電子波バイプリズムの動作の更なる解析を行った。特に、電子のコヒーレンス性の低さによって生じる干渉パターンのコントラスト低下について理論的な検討を行った。 2.引力ポテンシャルの実証の為の新しいデバイスの提案/解析 電子波バイプリズムの基礎となる埋込み金属細線によって形成される引力ポテンシャルの実証のため、バイプリズム素子より簡便な構造で動作する素子を日本/スウェーデン間でのブレーンストーミングにより発案し、その理論的解析を行った。 3.GaAs MOVPEでの装置依存性/原料依存性/成長条件依存性 スウェーデンの条件に基づき、日本側でもGaAs MOVPEによりタングステンが埋め込み可能な条件を見い出した。日本側の場合はトリメチルガリウム(これはスウェーデン側も有する)/トリエチルガリウムの2種類の異なる材料を持つことから、装置依存性、原材料の比較、成長条件依存性等の比較を行った。 4.微細タングステン細線の形成と評価 周期200nm線幅100nmのタングステン細線形成が可能となり、またInPでの埋込み成長も確認した。形成したタングステンの抵抗がバルクでの値と較べて100倍程度高いことが問題となったが、原因を調べた結果、細線形成ではなく、作製時の温度によって大きくその抵抗値が劣化し、逆に言えば、作製時の温度を上げることで、抵抗値を下げることが出来ることを示した。今後アスペクト比の向上と併せて新プロセスの開発を行う必要があることが判明した。
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