層状構造の有機・無機ハイブリッド材料の設計と光機能

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11694145
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 高木 克彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60023264)
• 研究分担者: 志知 哲也 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90293654) ; 菊田 浩一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00214742) ; 井上 晴夫 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (90087304)
• キーワード: モンモリロナイト複合体 / フッ素化界面活性剤 / 偏光分光分析

研究概要

緒言 初年度の共同研究は、H11年8月に米国側の分担者、Ramamurthy教授と日本側、井上教授、高木教授が事前の折衝を名古屋で行い、12月にはニューオルリンズでの日米セミナーの折に共同研究の中間報告会を行った。12月からマーシー研究室の博士課程の学生を派遣させ、フッ素化界面活性剤の合成とモンモリロナイトへのインタカレーションによる複合体膜の作成を都立大学の井上研究室で、2月からは、名古屋大学の当研究室に移動して、偏光紫外・可視分光分析法で測定し、複合体中の活性剤の3次元構造を決定した。
実験方法 炭素数5から12までのパーフルオロアルキル基と通常のアルキル基を持つ第四級アンモニウム塩を合成する。この構造確認は、通常の核磁気共鳴分光法などで行った。ついで、モンモリロナイト粘土にこの活性剤を加熱下、撹拌、吸着させ、粉末フィルムを得た。水、アルコール、DMFなどに溶解後、キャスト法により薄膜とし、偏光紫外・可視分光分析法でフッ素化アルキル基と通常のアルキル基の配向角度を決定した。
結果と考察 パーフルオロアルキル第四級アンモニウム塩として[C7F15CONH(CH2)3NMe3]lを検討した。粘土に吸着させる前に粘土なしでの薄膜中の活性剤の配向を測定したところ、基板に対してフッ素化アルキル基は46゜ 、アルキル基は59゜ 傾いていることが求まった。現在、さらに粘土層間に吸着された活性剤分子の配向角度を測定している。

研究成果

• [文献書誌] T.Kanoh, Shichi, T., Takagi, K.: "Mono- and bilayer equilibria of stearate self-assembly formed in LDH Interlayers by changing the intercalation temperature"Chem.Lett.. 117-118 (1999)
• [文献書誌] Takagi,K, Saito,N., K. Shichi, T. Sawaki, Y.: "Intercalation of aliphatic carboxylates in LDH: Selective photochemical hydrogen abstraction by benzophenone-carboxylate 275-276"Chem. Lett.. 275-276 (1999)
• [文献書誌] Kikuta, K., A.Fukaya, Takagi, K.: "Preparation of Photoreactive Zirconium Precursors Stabilized by Aromatic Diethanolamines and Its Application for Fine Patterning"J. Ceram. Soc. Japan. 107. 772-774 (1999)
• [文献書誌] Kikuta, K., Suzumori, K., Takagi, K.: "Patterning of Tin Oxide from Photoreactive Precursor Solutions Prepared via the Addition of N-Phenyldiethanolamine"J. Am. Ceram. Soc.. 82. 2263-2265 (1999)
• [文献書誌] Shichi, T, Takagi, K., Sawaki, Y.: "Benzophenone-sensitized cyclodimerization of cinnamic acid in LDH clay interlayers: A study of the sensitization behavior"Clay Science. 10. 503-517 (1999)
• [文献書誌] Kikuta, K., Takagi, K., Hirano, S: "Photoreaction of Titanium-Based Metal-organic Compounds for Ceramic Fine Patterning"J. Am. Ceram. Soc.. 82. 1569-1572 (1999)
• [文献書誌] 井上晴夫、高木克彦、朴鐘震: "光科学 I"丸善(株). 204 (1999)