研究概要 |
地球温暖化の主原因と考えられているCO_2の排出削減のために,これまでの炭素ベースのエネルギー変換技術を水素ベースに転換することが有力視されているが,そのためのガスタービンシステム開発に向け,タービン翼の高効率冷却法ならびに水素燃焼に注目した共同研究を行っている.本年度は相手側対応研究グループ代表者である米国ミネソタ大学のT.W.Simon教授と同大学のR.J.Goldstein教授が共同主催したInternational Symposium on Heat Transfer in Gas Turbine Systems(トルコ,8月)に参加し,ガスタービン動翼内部の冷却流路内流れに関する数値解析について研究発表を行うとともに,関連する情報の収集を行った.その会議には相手側対応研究分担者の一人である米国テキサスA & M大学のJ.C.Han教授も参加しており,これまでの双方の研究結果に関する情報交換も行えた.また,もう一人の相手側対応研究分担者である英国インペリアルカレッジのJ.H.Whitelaw教授が組織委員会メンバーとして運営した9th International Symposium on Flow Visualization(英国,8月),さらに,欧州機械学会熱工学講演会(ドイツ,9月)にも参加し,レーザーを用いた複雑な流れ場の非接触測定手法ならびに衝突噴流冷却技術に関する研究発表と,それに関連する情報交換を行った. その一方で,昨年度の研究実施報告と本年度研究計画の摺り合わせ,翼冷却・ガスタービンシステム研究に関する研究結果の合同討議,その他の情報の交換を行うために,京都大学から中部主敬助教授,手島清美講師,若林英信助手,岩井裕助手,同志社大学から稲岡恭二助教授がJ.C.Han教授(前出)を訪問した.その際,カリフォルニア大学バークレイ校のA.C.Fernandez-Pello教授,テキサス大学のO.Ezekoye助教授,テキサスA & M大学のJ.S.-Yagoobi教授,Elliot Energy Systems研究所の桑島氏をも訪問して,彼らの所属する研究施設の見学を行い,水素高温燃焼反応に伴うガス・燃焼器壁・翼面の輻射伝熱現象,あるいは燃焼器・タービン翼周りの高効率な冷却法について意見の交換ならびに研究成果の交換を行った.
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