研究課題/領域番号 |
11694147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 二三生 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10111923)
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研究分担者 |
小高 猛司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00252271)
八嶋 厚 岐阜大学, 工学部, 教授 (90144394)
足立 紀尚 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20026173)
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キーワード | 液状化 / 流動化 / 有限要素法 / 非線形移動効果則 / 弾塑性構成式 / 有限変形理論 / 大変形 / 3次元解析 |
研究概要 |
液状化により埋立地などの岸壁・護岸が流動するような現象を正確に予測するには、従来の微小変形理論を用いた液状化解析法では難しい。そのため、本研究では、大変形も考慮できるように、有限変形理論を用いた3次元液状化解析法を開発している。まず、有限変形理論にも対応できるように、非線形移動硬化則に基づく繰返し弾塑性構成式を、有効Cauchy応力のJaumann速度テンソルとストレッチングテンソルの関係で記述できるように再構築を行った。また、加速度項を考慮するために支配方程式は通常の運動方程式を採用し、それを有限変形理論で記述するために、すべての定式化を行った。また、20節点6面体要素を用いるために、連続式に関しても、新たに定式化を行った。それらを有限要素法およびNewmarkのb法により空間および時間離散化を施し、液状化解析コードLIQCA-FDの第1版を作成した。まず、正解値が存在する浸透破壊問題に適用した結果、極めて高い精度で解析解を説明することができることから、この開発した解析コードの信頼性は高いと判断した。さらに、簡単なモデルを設定しSin波および実際の地震波を入力することにより液状化解析を行い、微小変形理論による解析コードと比較・検討を行った。さらに、実際に神戸ポートアイランドで被災を受けた護岸のモデルを用いても液状化解析を行った。結果として、微小変形解析とは護岸の変形や地盤内の加速度応答、および液状化の分布等に違いが見られた。現時点までの研究を通して、メッシュの更新法や計算時間の短縮、応力速度等に関連する構成式の改良、実験による検証等々の課題が抽出されており、実用化に向けてさらなる研究が必要である。また、液状化解析法の開発と平行し、砂が大変形時に示す定常状態を考慮できる弾塑性モデルの開発も行っており、大変形時の砂の挙動が統一的に表現できるレベルに近づいた。
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