最適化および均衡システムの綜合,解析とアルゴリズム

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11694151
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 福嶋 雅夫 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (30089114)
• 研究分担者: 陳 小君 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (70304251) ; 山下 信雄 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助手 (30293898)
• キーワード: 最適化 / 均衡モデル / アルゴリズム / 数理計画 / 相補性問題 / 変分不等式 / 並列アルゴリズム

研究概要

本年度は共同研究の基盤を確立することを第1の目標とし、研究代表者と外国在住の研究分担者が相互に訪問し、情報交換を行った。さらに、その際に得られた知見に基づいて、いくつかの共同研究に着手し、以下のような結果を得た。
1.最適化問題と均衡問題が融合した問題の典型的な例である均衡制約をもつ数理計画問題に対して、その理論的な基礎を与える最適性条件および制約想定を取り上げ、従来の理論をさらに整備するような統一的な結果を得た。
2.上記の結果に基づいて、均衡制約をもつ数理計画問題に対する連続法と呼ばれる手法の収束性を示した。これは、このクラスの問題に対する数値解法においては、これまで一般に仮定されていた狭義相補性条件とよばれる非常に強い仮定を必要としないような問題のクラスを初めて明らかにした結果であり、理論のみならず実用上の意義も大きい。
3.代表的な均衡問題である非線形相補性問題を等価な最適化問題に再定式化するいくつかの手法を開発した。特にDギャップ関数と呼ばれる関数を用いることにより、高速かつ安定的な反復法を構成できることを示した。

研究成果

• [文献書誌] J.S.Pang and M.Fukushima: "Complementarity constraint qualifications and simplified B-stationarity conditions for mathematical programs with equilibrium constraints"Computational Optimization and Applications. 13. 111-136 (1999)
• [文献書誌] J.M.Peng,C.Kanzaw,M.Fukushima: "A hybrid Josephy-Newton method for sciving box constrained variational inaquality problems"Optimization Methods and Software. 10. 687-710 (1999)
• [文献書誌] X.Chen and M.Fukushima: "Proxinal quasi-Newton methods for nondifferentiable convex optimization"Mathematical Programming. 85. 313-334 (1999)
• [文献書誌] M.Fukushima and J.S.Pang: "Convergence of a smoothing continuation method for mathematical programs with complementarity constraints"Ill-posed Variational Problems and Regularization Techniques. 99-110 (1999)
• [文献書誌] D.Li and M.Fukushima: "A globally and suporlinearly convergent Gauss-Newton based BFGS method for symmetric equations"SIAM Journal on Numerical Analysis. (掲載予定).
• [文献書誌] D.Li and M.Fukushima: "A derivative-free line search and giobal convergence of Bloyden-like method for nonlinear equations"Computational Optimization and Applications. (掲載予定).
• [文献書誌] 山川栄樹, 福島雅夫: "数理計画における並列計算"朝倉書店. 225 (2000)