研究概要 |
本研究では,動的環境下で複数のロボットが共同して作業を遂行するために基本問題を解決するために,内外の研究分担者から構成される主要3グループとそれらに協力する研究協力者グループからなる.主要3グループは,ファイファー教授率いるチューリッヒ大学の人工知能研究所で実地する「共同作業遂行のための概念獲得過程」に関する研究グループ,シェン助教授率いる南カリフォルニア大学情報科学研究所で実地される「複数ロボットによる知能統合」に関する研究グループ,国内では,北野博士率いるソニーコンピュータサイエンス研究所と代表者が率いる大阪大学のロボット研究チームで実地される「多数ロボットの協調作業獲得の進化過程」に関する研究グループからなる.初年度は,各研究グループで,それぞれの基本アルゴリズムを設計し,互いに討論することで,アルゴリズムを精錬した.具体的には,第一グループでは,共同作業時に相互作用するために,物理的身体の性質をそのまま利用することを考える「embodiment」を実現するための定式化の理論を検討した.第2,第3ぐるーぷでは,人工知能国際会議学会と併催された第3回ロボカップ世界大会実際の実ロボットによる競技会を通じて,協調行動実現手法を比較検討した.工学的に実現しようとするShen教授グループでは,知覚系,運動系,認知系を個別に設計し,頑強なシステム作りのための方法論を検討・実地した.浅田・北野グループでは,学習・進化的手法に基づいて協調行動を実現する際の,机辺問題点を実験を通じて,明らかにした.そして,第2,第3の差異を明らかにし,来年度の活動方針を決定した.
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