研究課題/領域番号 |
11694156
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
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研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
大森 裕 大阪大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (50223970)
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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キーワード | π共役系高分子 / 導電性高分子 / 励起子 / レーザー / 超高速現象 |
研究概要 |
本研究では、種々のπ共役系高分子を用いてスピンコート法、セルフアセンブリー法、電着法などの手法により薄膜フィルムを作製しその電子状態と発光過程の検討を行った。主な結果は以下の通りである。(1)側鎖置換基の分子構造が異なるポリアセチレン誘導体および側鎖アルキル基の長さの異なるポリアルキルチオフェンを用いて、フェムト秒時間分解蛍光寿命測定、蛍光量子効率測定などを行い、それらの電子状態に及ぼす側鎖分子構造、フィルムモルフォロジーの影響を明らかにした。(2)主鎖内にSiを導入したハイブリッド型π共役系高分子の電子状態に及ぼす分子構造の効果を明らかにした。その中でポリパラフェニレンビニレンをベースとした高分子フィルムにおいて強い蛍光を観測し、さらに短パルスレーザーによる強励起時に発光スペクトルのナローイングが観測された。(3)ポリパラフェニレンピリジン系のπ共役系高分子の発光特性を明らかにし、パルスレーザーで強励起することで発光スペクトルのナローイングが観測された。(4)ガラスファイバーの表面にセルフアセンブリー法により導電性高分子の多層積層膜を作製しそのエレクトロルミネッセンス発光を実現した。(5)直径数百ナノメートルのSiO2微小球を三次元的に配列させた人工オパールを作製し、その微小球間の空隙にポリアルキルチオフェンを溶融法により浸透させることに成功した。さらに、その浸透オパールから化学的手法によりSiO2微小球を取り除くことにより三次元周期構造を有するπ共役系高分子レプリカの作製に成功した。このπ共役系高分子の発光スペクトルに三次元周期構造の周期に対応したくぼみを確認し、発光過程に及ぼす光学ストップバンドの効果を明らかにした。
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