研究概要 |
今年度我々は、電流指定方式有機LEDアクティブマトリックス駆動回路の回路シミュレーションを行い,回路の最適設計を行った.また,この回路のポリシリコンへの応用に取り組み,以下のような結果を得た. (1)72×24ドットを有するアクティブマトリックスアモルファスシリコンTFTアレイを作製し,実際にその上に有機LEDを作製するプロセスを確立した. (2)また上記のデバイスのキャプシュレーション技術を習得した. (3)個別ピクセル回路において1走査線方電流指定アクティブマトリックス駆動法は,TFTのしきい値電圧変化による出力電流のばらつきは解消されたが,出力電流に飽和現象が起こってしまうため,有機LEDの輝度に限界が生じた. (4)この問題を解決するため,2走査線方式電流指定型アクティブマトリックス駆動回路を提案し,シミュレーションにより回路評価を行った. (5)回路シミュレーションにより,出力電流の飽和現象を取り除くことができることを示した. (6)2走査線方式に伴う外部接続端子数の増加をピクセル外にインバータ回路を設けることにより制限した. (7)ポリシリコンTFTを用いたピクセル回路を提案し,その回路が十分に実用できる性能を持つことが回路シミュレーションにより示せた. (8)ポリシリコンTFTを用いた回路において内臓アナログ-デジタル変換回路を提案し,その回路が4ビット以上の中間調を表示できる能力があることを示した.
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